第一部、本日の主役たちの顔見せが終わってお色直し(?)を待つ間、立食形式ではあるが、豪華な料理を楽しんでもらう事になった。 　和、洋、中華、エスニック料理など菫ちゃんのコネもあって、実に多彩だ。 　ロジのおすすめ、二葉の寿司が、職人も来て目の前で握ってくれる。 　ハジメとタカの大好きな韓国家庭料理も、オンマがきて、あのタッカンマリを用意してくれた。タカの要望だ。 　サー・リチャーズ商会からは、飲み物が用意された。世界のお茶やソフトドリンクで、ホッと一息出来る。友也が手伝って珈琲も用意された。スーツで決めて、友也はすっかりサー・リチャーズ商会の営業マンの顔だ。 　菫ちゃんのコネで、マダムセキグチのケータリングが洋食を担当している。中々予約の取れないケータリングで有名だ。 　円城寺が声をかけて、新宿のチャイマが本格的な中華料理を出している。チャイマの組織黒社会、日本での統括をしているのは「李」という男。周りを人相の悪い黒服たちが固めている。 　奥のご老人たちはVIP席にいるが、こちらもまた周りを目立たないようにSPがガードしている。 李が来た。 「ご老人、ご無沙汰してるネ。 美味しい飲茶、待って来たから食べて。 華僑の扱う特級品ヨ。 フカヒレとナマコとツバメの巣、 命がけで取ってきたヨ。」 さすがだ。黒社会と恐れられている日本でのチャイマのトップも、ご老人には真っ先に挨拶に来る。