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第71話 お色直し
いよいよ、本日の主役たちの着替えが終わったようだ。
今日のために全員が真っ白なタキシードを誂えた。あの銀座のテーラー嘉穂だ。
採寸やデザイン決め、布選び、仮縫いに、小物選びに、それぞれが銀座に通った。忙しい合間を縫ってのことだったが、出来上がっら、ピッタリの揃いのタキシードだ。
「みんながタキシードで、誰が花嫁?」
「じゃあ、ミトがウエディングドレス着れば?」
「えー、一人じゃヤダ。
タカと礼於も着るなら、
僕、ドレスが良かったかなぁ?」
「嘘だろ、ミトがドレス着るの?」
横からレイモンが
「尊なら着せたいなぁ。
花嫁姿の尊を犯してみたいなあ。」
「レイモンだけじゃないぞ。
ミトは似合うだろうな。」
「もう、ロジったら!」
ハジメも傑も藤尾さんもジョーちゃんも笑い転げている。楽屋は大騒ぎだ。そしてみんなかっこいい。
揃ってステージに出て来た。
盛大な拍手。なんだかテレくさそうだ。
ロジと腕を組んでミトが現れた。続いてハジメとタカ。すらっと背が高いカップル。ハジメの筋肉がタキシードを着ていてもわかる。厚い胸板。
傑と礼於が来た。傑が愛おしそうに礼於の肩を抱く。レイモンが尊を大切そうに抱いている。そして小鉄とジョー。さっきの、あの妖艶な花魁は、すらっとした正統派イケメンになっている。藤尾さんと名都はニコニコしながら手を繋いでいる。六組のカップル。12人のハンサムな男達。
「カッコいい!」
「素敵!」
白薔薇さん達が感動している。
「私たちイケメンにはちょっとうるさいのよ。」
と笑っている。
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