71 / 200

第71話 お色直し

 いよいよ、本日の主役たちの着替えが終わったようだ。  今日のために全員が真っ白なタキシードを誂えた。あの銀座のテーラー嘉穂だ。  採寸やデザイン決め、布選び、仮縫いに、小物選びに、それぞれが銀座に通った。忙しい合間を縫ってのことだったが、出来上がっら、ピッタリの揃いのタキシードだ。 「みんながタキシードで、誰が花嫁?」 「じゃあ、ミトがウエディングドレス着れば?」 「えー、一人じゃヤダ。 タカと礼於も着るなら、 僕、ドレスが良かったかなぁ?」 「嘘だろ、ミトがドレス着るの?」 横からレイモンが 「尊なら着せたいなぁ。 花嫁姿の尊を犯してみたいなあ。」 「レイモンだけじゃないぞ。 ミトは似合うだろうな。」 「もう、ロジったら!」 ハジメも傑も藤尾さんもジョーちゃんも笑い転げている。楽屋は大騒ぎだ。そしてみんなかっこいい。    揃ってステージに出て来た。 盛大な拍手。なんだかテレくさそうだ。  ロジと腕を組んでミトが現れた。続いてハジメとタカ。すらっと背が高いカップル。ハジメの筋肉がタキシードを着ていてもわかる。厚い胸板。  傑と礼於が来た。傑が愛おしそうに礼於の肩を抱く。レイモンが尊を大切そうに抱いている。そして小鉄とジョー。さっきの、あの妖艶な花魁は、すらっとした正統派イケメンになっている。藤尾さんと名都はニコニコしながら手を繋いでいる。六組のカップル。12人のハンサムな男達。 「カッコいい!」 「素敵!」 白薔薇さん達が感動している。 「私たちイケメンにはちょっとうるさいのよ。」 と笑っている。

ともだちにシェアしよう!