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第79話 温泉

「大浴場だって。一番上の階。 天空の湯、凄そうだ。」  みんなそれぞれの部屋から出て集まって来た。ミトとタカと礼於で大きいお風呂に入りたい、と嬉しそうだ。ロジとハジメと傑も来た。ほとんど他に泊り客はいないようで、傑の刺青も気にしなくて済みそうだ。 「凄いなぁ、やっぱり迫力あるね。」 傑の背中の龍の事を言っている。 「温泉入ろう。わっ、広いお風呂! 泳いでもいい?」 「子供か?」  いつも顔を合わせているが、まじまじとお互いの身体を見た事はない。  みんないい身体をしている。ロジは46才だが、引き締まった身体に、少しだけ胸毛があるのがセクシーだ。自宅の簡単なトレーニングルームで鍛えている。肉体年齢は、実年齢よりかなり若い。  ロジにトレーニングをやらされてミトは見事に腹筋が割れている。以前、紅茶のポスター撮影でお腹が見えるシーンがあったのでロジにやらされて今は習慣になった。  ハジメは本格的だ。Gジムで鍛えている。ミスターユニバースに推薦しよう、と言われる程だ。 タカはそれが自慢で、自分の事のようにハジメの筋肉を愛している。タカ自身は筋トレを途中で投げ出して、スマートな少年のようなスレンダーな身体だ。  傑と礼於が裸になってそのタトゥーを見せた。礼於は片腕にタトゥーだが、傑は背中全体に見事な和彫りの龍だ。 「凄い、カッコいい!」 「黒い龍。礼於の腕にも龍がいる。」 傑と礼於が腕を組んで背中を向ける。 「もう、みんなには見せないって言ってたのに、みんなに見せちゃってるよね。僕だけのために入れたっていうのに。ボクだけの傑だよ。」 「礼於、わかってるよ。おまえだけのものだよ。」 そう言って抱き寄せた。

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