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第84話 ジェロニモ
こんな自由な人は初めてだ。何物にもとらわれない。男とも女ともセックスしていた。
「おまえ、かわいいな、俺の部屋に来いよ。」
初めて男に抱かれた。甘く蕩けるセックス。ジェロニモの性愛は限りなく優しい。普段の乱暴な物言いとは違って、優しく身体を開き、優しく解して、それは素晴らしく甘美な時間だった。ハジメは我を忘れて夢中になった。
ジェロニモの身体を貪り尽くす。いつまでも奉仕していたい。その身体を離したくない。男同士はこんなに気持ち良くなれるのか?
女を知らないハジメだったが、ジェロニモ以外もう何もいらない。
でもいつも自由奔放なジェロニモは、女を抱いている時もあった。部屋を訪ねると半裸の女が出て来る。ベッドには裸のジェロニモ。
「今、ヤッテる最中なんだよ。帰れよ。」
「いいわよ。あたし、見られると興奮するほうよ。そこで見ててもいいわよ。』
ハジメは帰る事も出来ず、部屋の隅でただひたすら待っていた。
「ああ、感じちゃう。ジェロ、もっとよ。
奥まで来て。ああ、いいわ、イク!」
女の嬌声が絶頂を迎えるまで、耳を塞いで待つのだった。
ジェロは優しく女の身体を拭いて後始末してやる。誰にだって優しいのだ。
ジェロニモは絶倫でセックスが大好きなのだった。濃厚なキスをして、女を送り出す。
女が悪びれもせず、
「ふふふ、いい子で待ってたのね。あたし帰るわ。お先にごめんね。
ジェロニモが回復するまで口で愛してあげたら?じゃ、バイバイ。」
ジェロニモは少し嫌な顔をした。疲れたんだろう。今日はもう、する気分ではないのだろう。おあずけさせられた犬の気持ちだった。
「まだ、いたのか?じゃあ、俺の舐めろよ。」
ハジメは女のセックスの痕跡の残るペニスを舐めた。ジェロニモは髪を掴んで
「うん、気持ちいいな。フェラ、上手くなったな。俺、疲れたから寝るわ。」
眠ってしまうまでジェロニモのモノを大切に舐めた。自分の涙の味がした。
そんな屈辱にも慣れてしまった。初めての男だった。初めて愛した男だった。
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