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第93話 倶楽部

「傑じゃない、久しぶり、たまには抱いてよ。」 綺麗な男の人が声をかけて来た。男娼のミカドだ。傑が前に関係を持った事があるらしい。 「私は結婚したんだよ。嫁の礼於だ。」 紹介された。なんだか、面映ゆい。 「もう、妬けるわねぇ。」 「傑に、二度目はないのよ。今は嫁だけよ。」 小鉄が来て言った。 (あんな綺麗な人を、傑は抱いた事があるんだな。ボクにするみたいに優しくキスしたり。 あー考えちゃダメだ。でも・・)  奥の席になんと、ハジメとタカがいた。そしてロジとミトも。 「なんだぁ、みんな勢揃いだね。」 2階からレイモンと尊も降りて来た。  レイモンはボンデージスタイルで、尊は女装している。大切そうに肩を抱いている。  ミトはいつものようにロジの膝に乗って首に抱きついている。タカはソファに座ったハジメに抱かれて珍しく甘えている。 「礼於、私もここの会員になったのよ。」 菫ちゃんだ。 「菫ちゃん、披露宴の時はありがとう。 全部、菫ちゃんが用意してくれたんだって聞いて、嬉しかったよ。大変だったね。」 「淳や零士が、礼於に会いたがってたわよ。 たまには、ディアボラにも顔を出して。」 「菫ちゃん、一人?」 そこへ藤尾さんと名都が現れた。 「集蔵の紹介で入会出来たの。 奥の方々は、父の事もご存じだったし。」  小鉄がドラァグ・クイーンの格好でジョーと一緒に来た。ジョーは普通の私服だ。 「わあっ、みんな勢揃いだね!」  偶然にも 披露宴のメンバーが全員、揃った。 「温泉から帰って初めてだね、みんな集まるの。」 小鉄が 「今夜は珍しく空いてるのよ。みんなゆっくりしてね。」 「小鉄、やっぱり綺麗だ。」 久しぶりに見る小鉄のドラァグ・クイーンは,やっぱり素敵だ。

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