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第113話 ガンスとイルス

「それでこの桜会で面倒見てるんだな。 藤尾さんなら大物だから大丈夫だろう。 おまえの選択は間違ってないよ。  だけど俺たちに預けるなんて、どういう事だ? 俺たちがゲイのカップルだって事は、組の連中はみんな知ってるよ。アオも仲間にしろってことかな?」 「兄弟じゃないの?」 イルスが答えた。 「俺とガンスは血は繋がってない。 俺は母ちゃんの連れ子だ。母ちゃんが他の男の、子を産んで、父ちゃんの所に転がり込んだ。  父ちゃんには死んだかあちゃんとの間にガンスがいた。赤ん坊の俺を父ちゃんが、自分の子にしてくれたんだ。 父ちゃんには大きな恩がある。  ガンスは父ちゃんに似てるよ。」 「なんか俺たち親の縁が薄いよなぁ。」 「極道なんかになる奴に親の縁なんか無いんだよ。真っ当な縁なんか、な。」  ガンスがゴツい手であたまを撫でてくれた。 イルスも優しく手を握ってくれた。  二人ともタイプは違うが、かなりのイケメンだ。カッコいい。 「オレ、二人の間にお邪魔していいのかな?」 イルスが笑いながら 「アオはかわいい顔してるから、俺はラッキーって思ったよ。」 「俺も好きなタイプだ。 無茶苦茶にしてやりたい。」 「二人ともヤキモチとか無いの?」 「ないよ。初めておまえを見た時から、特別だって思った。3Pとかするか?」 「ガンスそういうの嫌いでしょ。 話し合って順番を決めよう。」 「愛し合う順番?」 「あはは、面白い。わざわざしなくてもいいよ。」

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