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第117話 寺田

 また、チャイマが刺客を送り込んで来た、と藤尾さんから聞いてミカドは思い出した。 「寺ちゃんは知り合いのチャイマに藤尾さんを襲わせるって言ってたけど、そんなバカなこと、ホントにするとは思わなかった。 ヤバい事になってるの?」  刺客に使われたのは16才の子供だから、藤尾が保護して安全な所に預けた、と言った。 「少しは考えろ。チャイマは以前から、俺を狙ってる。ご老人、奴らは日本に入り込んで来て、ご老人の事を知りたがっています。どこまでゴネれば動くか,揺さぶって来てるんです。  これからもっと目に余ることをやるかも知れません。」 「全く、モノのコトワリを知らん奴らじゃ。 李では、話にならんな。  どれ、処理をすることになるな。」 奥の老人はVIPルームへ帰って行った。VIPルームの更に奥に住んでいる。建物の裏に行っても、その奥に建物がある訳ではない。倶楽部の裏は大きな神社だ。全く別の建物のようだ。    藤尾さんは深く頭を下げて、 「えらい事になるかもしれん。」  と、つぶやいた。 「何が始まるのか? 藤尾さんにはわかってるんですか?」 ロジが察して聞いて来た。 「処理、だ。いままでにない、何かが起きる。」 「何かって?」

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