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第123話 新宿桜会

「チャイマの奴ら、また何かやらかしてますぜ。」 片桐に麻布の一件が報告された。しつこく藤尾さんの周辺をうろつくのは、やはり、チャイマの息のかかった連中か。 「アオの身辺を警戒しろ。うちの仕事は、アオを守ることだ。藤尾さんは心配要らないが、アオは生身ひとつだから、な。」 ガンスとイルスが呼ばれた。 「おまえたち、アオと仲良くしてやってるんだろ。どうだ、落ち着いて来たか?」 「代行、俺たちがゲイだって知っててアオを預けたんでしょ。もう,俺たちと遊んでますよ。  アオはチャイマにあっちの方は仕込まれてたからね。」 「やっぱりな。おまえらがイヤじゃなかったら 面倒見てやってくれ。  大分,懐いてるようじやないか。」 「可愛い奴ですよ。」 「おまえら3人で上手くいってるのか? それならよろしく頼む。 アオはチャイマに人質だと思われてるからな。 身辺、気をつけてやってくれ。  組長が出所したら、おまえらと同じ盃を貰ってやろう。」  ガンスとイルスは実はもう、アオに夢中だった。可愛いのはその外見だけでは無い。その心根が可愛いのだ。数々の苦労をして来たはずなのになんとピュアな事か。  アオも二人に心を開いて思い切り甘えている。 イルスはデイトレーダーの仕事で忙しく、柳ヶ瀬さんに密着しているが、私生活はガンスとアオに全て合わせている。  ガンスは組の息のかかった土木事業などの陣頭指揮をとって飛び回っている。  桜会は真っ当な仕事を生業にしているから、警察の『マル暴』との関係も良好だ。  暴力団と呼ばれるような組織ではない。これがヤクザの本来あるべき姿だ、と警察では言われている。 (ネコ被ってるだけかもしれないのに。)  やる時はやる!武闘派なのだ。

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