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第126話 初めてのゲイバー

 学生の頃、一人でゲイのハッテンバと言われるところへ行ってみた。  通りに男娼が数人立っている。病気が怖くて声をかける気がしない。  通りにある、それっぽい店に入った。 「いらっしゃい。あら、いい男。 初めて?カウンターにどうぞ。」  暇そうな店で、ビールを頼むとグラスを持ってそのマスターが隣に座った。 「大学生の傑、カッコ良かっただろうね。 ボク、その時、4才くらいだ。 相手にしてもらえなかったね、きっと。」 「そうか、そんなに年下なんだね。」  傑の初体験はそのマスターだった。 その頃、背が高いだけの痩せっぽちの傑に、ゲイの全てを教えてくれたのは、そのマスターだった。 「傑ちゃんって言うのね。どっちがいいかしら。」  マスターのマンションに連れて行かれて、裸にされ、身体中に何かのローションを塗り広げられてマッサージだと言う。  マスターの手が気持ちいい。 「あ、あ、やめて。なんか変になる。」 「私も脱ぐわ。抱き合うともっと気持ちいいのよ。あなた、いい身体してるわ。鍛えてもっと筋肉つけるといいわ。」  マスターは優しかった。指が肛門に入って来た。 「止めろ!何するんだ。」 「この中に気持ちよくなる所があるのよ。 今まで知らなかったのが、もったいないわ。」  身体をマッサージされ、肛門に指を入れられて、初めての感覚におかしくなりそうだった。  指を増やされて解される。 「指が三本入ったら、入れて見るわ。 気持ちいいでしょ。ほら傑ちゃん、ペニスから先走りが溢れて来た。私のを入れるわよ。」  優しく触れるマスターに好感を覚えた。 「俺が女役なのか?」 抵抗がある。マスターは上手だった。 何度も射精しているような甘イキが続く。 「ああ、いいわ。ゴムを付けて中に入ったわよ。 ちょっとキツイけどすぐに良くなるからね。」 「あ、あ、ダメだ。気持ちいい。出したい。」 マスターと一緒にイッた。中に射精されているのがゴム越しでもわかった。  腰に力が入らない。マスターは優しく丁寧に後始末してくれた。 「傑ちゃん凄く良かったわ。 お初を貰っちゃった。ありがと。帰れる?」 「ああ、気持ち良かった。 俺は同性愛者になってしまったのか?」  帰る時、マスターは傑に抱きついて 「惚れちゃいそうよ。傑ちゃんはいい男。 今度は私に入れてね。両方経験してから、どっちにするか、決めたらいいわ。」  傑の初体験は、わりと幸せだったと思う。

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