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第132話 トリップ
「わぁ、全部わかった。頭の中に流れ込んでくる。これが宇宙の真理⁈」
思考が研ぎ澄まされて次々に頭に入ってくる。
ああ、そうだったのか。よく知ってるこの感じ。
言葉ではなく、当たり前によく知っている事。
「そうか、そうだったよ。覚えてる。身近にいる。神様だって良く知ってる。
そうだ、愛し合うってこう言う事だよ。
大昔から傑と一緒だった。傑じゃなきゃダメだ、ってわかってた。
ああ、これは良く知ってる感情だよ。懐かしい。いつも傑がそばにいたよ。ボクは傑といつも一緒だった。」
礼於は、あるはずの無い遠い記憶を懐かしんでいた。
何もかもがわかっている。安心感のある存在。
世界は美しい。
気を失っていたのだろうか。眠っていたのか?
気がつくとあの倶楽部のソファだ。傑の肩で眠っていた。
「礼於。」
傑が抱いてキスしてくれた。
「ボクたち、眠っちゃったの?おじいちゃんは?
夢見てたの?頭がボーッとしてる。」
小鉄が来て、
「目が覚めた?おじ様に盛られたのよ。
ここはある意味、治外法権だからなんでもあり、よ。」
「何?麻薬か何か?」
「ふふふ、おじ様たちは人を煙にまくのが、好きなのよ。大丈夫?もう少し休んでいきなさい。」
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