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第134話 出雲そば

 家に帰って、礼於が気付いた。 「今日から10月だ。傑、神無月だよ。 やっぱり、おじいちゃん達は神様だったんだ。」 傑は笑って 「出雲出身のご老人がいらっしゃるんだ。 毎年ご老人は出雲に行かれる。 去年はお土産に出雲そばを貰ったよ。 私がそば好きだから。」  去年は、恋人のいない傑に縁結びのお守りもくれた。うさぎのお守り。  この前、礼於が見つけて 「可愛い、これどうしたの?ぼく欲しい。」 礼於のものになった。スマホケースに取り付けている。縁結びの効果抜群だ。礼於と結ばれた。  そう言うと礼於が抱きついて来た。 キスしながら 「ほんと、効果抜群だ。」  今回の事、礼於はなんだか腑に落ちないが、それでも日常は過ぎて行く。  朝、遅く目覚めたら隣に傑がいる。手を伸ばせば抱きしめてくれる。少し大きいベッドを買ったから二人でくっついて眠る。傑の腕枕で抱きついて眠るから、大きいベッドはいらなかったかもしれない。 「ふふふ、傑好き。」 耳に囁くと、ギュッと抱きしめられる。 「起きてたの?」 「今、起きた。 礼於が欲しくなったって言ってるよ。」 礼於の手を取って傑が自分のパジャマに誘導する。 「あ、ホントだ、起きてる。」 「どれどれ、礼於は起きたかな?」 傑の手が股間を弄る。礼於は自分で下着を取った。 「もう、邪魔だね。今度から裸でいいかな。」 「ダメだよ、私が我慢出来なくなる。」 もうずいぶん一緒にいるのに、いつもイチャイチャしてしまう。  傑は今まで他人にこんなに執着した事はなかった。セックスをしたらサヨウナラ、だった。  礼於はこんなに身体中、足の先から、指の先まで全部が愛しい。ずっと触れていたい。触っていたい。

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