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第138話 それでも地球は回っている。

 ミトも礼於も難しくて飽きて来た。ミトはロジの首に抱きついて 「ロジ、学者の顔をしてる。カッコいい。 学生の前でそんな顔、見せるんだね。  僕が相手じゃ物足りない? 僕もロジの学生だったら良かったな。」 ミトが寂しそうに言った。誰よりも愛しい。 「ミトは私の生きる正解だよ。 何もいらないんだ。」 そう言って抱きしめる。  礼於は傑を見て笑った。カウンターの中で手を繋ぎながら、見つめ合った。 「ボクは確かに覚えてる。寺田さんの事。 あの時、藤尾さんだって、名都さんだっていたのに。不思議だけど否定する事は出来ない。」  礼於の言葉に、ミトが返す。 「うん、僕は寺田さんとかって知らないけど、きっといつか納得できると思う。  そんな気がするから礼於、しばらく保留にしたらどうかな?」 「そうだね。ボク、勉強嫌いだったけどロジャー先生の大学、行ってみたくなったよ。」 傑が抱きしめて、 「本当に行くんなら協力するよ。 礼於が学生になったらちょっと萌え、だな。」 「傑は真面目に言ってよ。」 「僕たちもう帰るね。今度はウチに来て。 ゆっくり話そう。」 「ご老人に報告した方がいいかな? こんな議論を戦わせました、って。」 「ははは、議論にもなっていないが、中々白熱したかな?」 「難しくてほとんど解らなかった。」 ミトが正直だ。  礼於と傑で、ロジとミトのマイバッハを見送った。

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