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第142話 アオ③

 アオはガンスとイルスの目を盗んで、[バー高任]にやって来る。 「もう、放っておけ。 藤尾さんが話をつけて、手は出させないようにしたから。  アオは案外人気があったみたいだな。横恋慕してる奴がいるようだが。チャイマが上で抑えてる。」 藤尾さんが意外な事を言った。  傑が店を開けるためにやって来た。ドアの前でアオが待っている。 「毎日来なくてもいいのに。皆勤賞ものだ。」 「今日は礼於は?」 「少し遅れて来るよ。家でもやる事があるんだよ。」 アオが腕に絡みついて来る。 「猫みたいな奴だな。」 可愛らしい仕草に、傑は振り払う事が出来ない。 「やめろよ。礼於が来たら誤解される。 20歳になったら飲みにおいで。」 「オレ、もっとガキの頃から酒飲んでたからヘーキ。飲ませてよ。」  店を開けると抱きついて来た。そこへ礼於が入って来た。 「何やってるんですか?あなた、未成年でしょ。」 「じゃあ、酒は20歳になってからにするよ。 でも、恋に年令制限は、ないだろ。  マスターがオレを好きになったら仕方ないよな。」 「好きになるわけないでしょ。 傑はボクの、だからね。」 「また、来るね。今度はお店じゃない所で逢ってね。秘密のデート。」  アオは帰って行った。

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