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第153話 傑と礼於③

「お腹空いてないかい⁈」 小さな冷蔵庫からハギスというのを出して来た。あとマッシュポテト。  「ねぇ、傑はこれ好きなの? ボクはダメだ。ポテトも変な味。」 「私もハギスには苦労したよ。 美味しくないよね。羊の胃袋に何でも詰め込んで茹でてある。意外にもスパイシーではないんだよ。羊臭くてぼやけた味だ。  明日はスモークサーモンを食べに行こう。 これは美味いぞ。」  堅いパンとワインとマッシュポテトで夕食を済ませた。  狭いシャワーを使って、それでも傑に抱いて欲しくて念入りに準備した。  狭いベッドはいい。抱き合って眠れるから。 安心して礼於は熟睡してしまった。 「はっ!傑っ。」  手を伸ばす。この一年、いつも傑の夢を見て、手を伸ばして探すけど、そこには誰もいなくて、もう涙も出なくなってた。  でも、今は傑に届く。 「礼於、大丈夫か? ずいぶんグッスリ眠ってたね。」 「うん、こんなに深く眠ったのは久しぶりだ。 傑がいないと、良く眠れなかった。」  傑に抱きついた。 「夢じゃないよね。」 その大きな手で抱きしめてくれた。 「傑は眠らなかったの?」 「少し眠ったよ。眠るのがもったいなくて礼於の顔を見ていた。  きっと私は気が狂ってたんだ、礼於を手放すなんて。もう二度と離さない。」  礼於は自分のカバンからローションとゴムを出した。真っ赤になって 「傑に抱いて欲しかったから、持って来た。 笑わないで。ボク、傑以外の誰ともしてないよ。 ちょっと怖い。」  傑は礼於をうつ伏せにしてお尻に舌を這わせる。 「可愛いお尻だ。ゆっくり解そう。 自分でしてたのかい?物足りなかっただろう。」 「あ、ああ、だめ、感じちゃう。」 傑の大きい胸に抱きすくめられて幸せだ。 やっぱり、傑は素敵だ。

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