153 / 200
第153話 傑と礼於③
「お腹空いてないかい⁈」
小さな冷蔵庫からハギスというのを出して来た。あとマッシュポテト。
「ねぇ、傑はこれ好きなの?
ボクはダメだ。ポテトも変な味。」
「私もハギスには苦労したよ。
美味しくないよね。羊の胃袋に何でも詰め込んで茹でてある。意外にもスパイシーではないんだよ。羊臭くてぼやけた味だ。
明日はスモークサーモンを食べに行こう。
これは美味いぞ。」
堅いパンとワインとマッシュポテトで夕食を済ませた。
狭いシャワーを使って、それでも傑に抱いて欲しくて念入りに準備した。
狭いベッドはいい。抱き合って眠れるから。
安心して礼於は熟睡してしまった。
「はっ!傑っ。」
手を伸ばす。この一年、いつも傑の夢を見て、手を伸ばして探すけど、そこには誰もいなくて、もう涙も出なくなってた。
でも、今は傑に届く。
「礼於、大丈夫か?
ずいぶんグッスリ眠ってたね。」
「うん、こんなに深く眠ったのは久しぶりだ。
傑がいないと、良く眠れなかった。」
傑に抱きついた。
「夢じゃないよね。」
その大きな手で抱きしめてくれた。
「傑は眠らなかったの?」
「少し眠ったよ。眠るのがもったいなくて礼於の顔を見ていた。
きっと私は気が狂ってたんだ、礼於を手放すなんて。もう二度と離さない。」
礼於は自分のカバンからローションとゴムを出した。真っ赤になって
「傑に抱いて欲しかったから、持って来た。
笑わないで。ボク、傑以外の誰ともしてないよ。
ちょっと怖い。」
傑は礼於をうつ伏せにしてお尻に舌を這わせる。
「可愛いお尻だ。ゆっくり解そう。
自分でしてたのかい?物足りなかっただろう。」
「あ、ああ、だめ、感じちゃう。」
傑の大きい胸に抱きすくめられて幸せだ。
やっぱり、傑は素敵だ。
ともだちにシェアしよう!