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第171話 倶楽部

 今夜はあの倶楽部に来ている。 ロジとミトがいる。 「こんばんは、ロジャー先生。 何か私たちにお話が?」 傑が聞く。 電話でそんな事を言っていたような。 「やあ、ハジメとタカも来るよ。 小鉄とジョーもいるし。 藤尾さんと名都も来るだろう。」  奥のご老人がVIP席の方から出て来た。 「みんな揃ったかの? またパーテーをやりたいと思ってのぅ。」 「儂らは賑やかなのが、好きじゃから。」 小鉄が来て 「ここで出会った、おじ様たちのお墨付きカップルを全部集めて、お客さんに見せびらかしたいらしいわ。」 「とんでもないな、我々のプライバシーはないのか?」 ハジメが言う。 「待って。面白そう。みんな旧知の仲だけど 親睦会はいいんじゃない?」 ミトは無邪気だ。 「倶楽部の中だけなら問題ないだろう。 元々ここは秘密倶楽部だし。 みんなで集まって遊ぼう。会員限定で。」 レイモンが乗り気だ。 小鉄が名前をピックアップしてみた。 「まず、ロジャーとミト、ハジメとタカ、 傑と礼於、尊とレイモン、藤尾さんと名都、 そして私、小鉄とジョー。  この前、披露目をしたメンバーね。6カプ12人。  あと、ちょっと部外者だけど、新宿桜会の 先日、出所して来た、佐倉大五郎組長と代行の片桐竜治さん。  そしてガンスとイルスは、表向き兄弟と言っているけれど、父親も母親も違う、血のつながりはないのよ。ずっと愛し合って肩を寄せ合って生きて来たの。」 「すごい、16人、8カップルだ。」 「この16人を囲んで親睦会をやりましょう。 おじ様たちのご希望よ。」 「ふぉっふぉっ、企画は小鉄に任せた。 楽しみだのぅ。」 (この爺様たちは、金と暇がありあまってるんだな。) ハジメたちの心の声に応えるように 「ふぉっふぉっ、何しろ儂らは、気が遠くなるほど長〜く、生きておるからの。」  飄々と奥に戻って行った。

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