「わっ、すごい、カッコいい。」 ファッション誌wanwanにハジメとタカの記事が掲載された。 「えっ、なにこれ？BL特集だって。 『沼るBL』だって。ガチBLカップル？ こんなのよく引き受けたね。」 「中を見てみよう。」 　特集記事は、BLを肯定的にまとめていた。 最初のページには、ソファで仲良く座っているハジメとタカ。大きなハジメの身体の横でスレンダーなタカが安心したように座っている。 　さすが、プロのカメラマンだ。いやらしさは微塵もない。 　肩を抱き寄せたハジメの腕に、幸せそうに微笑むタカが可愛い。 　誰もがハジメの筋肉に触れて抱かれたいと思うだろう。 　次のページには、下を向いて珈琲をハンドドリップしているハジメの向こうに、ソファに足を投げ出している、ちょっと拗ねた顔のタカ。 　端正な顔は拗ねていても際立つ。 「珈琲を淹れている間、放っておかれて寂しくて拗ねてる、っていう設定なんだ。」 　次のページには、笑いながら珈琲を飲む二人。ハジメがタカを抱き寄せて頭を撫でる。 　ハジメの肩に頭を預けて幸せそうなタカ。ラブラブが伝わって来る。 　次のページからは、モードな写真が続く。さっきのアットホームな二人の部屋から、対照的な無機的な街並みに出た。 　タカが長いストールと肩の張った長いジャケット、中はモノトーンの短いシャツに、ジョッパーズパンツ。膝まであるブーツでカッコいい。ポーズを取る。 　ハジメが他人の顔をして、黒いピッタリしたTシャツと色褪せたオーバーサイズのジーンズに、ユーズドの皮ジャンパー。ゴツいコンバットブーツで決めている。これほどTシャツが似合う男もいないだろう。ハジメのスタイルは、スタイリストがついているが、いつもの私服とあまり変わらない。 　二人が出会って見つめ合う。でも意識しながらも、乱暴に離れて行く。 　スチール写真の一つ一つが、見る者をドキドキさせる。そして最後にハジメとタカのキスシーン。なんとディープキスなのだ。 　これが問題になり、話題になり、雑誌は売り切れ続出なのだそうだ。