181 / 200

第181話 ポスター

 雑誌の写真掲載に、みんな少なからず衝撃を受けている。小鉄が 「リチャーズ商会のポスター撮影の話を進めたいんだけど。  ミトの希望で礼於とのツーショットになるのね。ロジャーも傑もいいの?」 「私は、ミトに惚れ直すような写真を期待してるよ。でも、ミトはやらんぞ。」 「ロジ、おじさんっぽい。」 礼於は傑の顔を見ている。 「傑、ボク出来るかな?」 撮影はアキラとハル君でするらしい。これもミトのリクエストだ。 「緊張しないようにアキラ君に撮って貰うんだろ。」 アキラは写真専門学校に進学した。BL漫画とカメラマンの二足の草鞋を履く、というわけだ。  同人誌の写真集で人気が出た。一応、駆け出しの写真家ではある。  ハル君は映画監督を目指して大学に進んだ。みんなプロを目指している。白薔薇さんたちは頼もしい。もうファンクラブの域を超えて、個人事務所のスタッフのようになっている。  撮影のシナリオは千賀子さん達が考えてくれた。前回の“紅茶王子の初恋”の続きにするか? 全く違うものにするか?  打ち合わせのような集まりから、いよいよ、来週から撮影が始まる、と言うところまで来た。 「ふうっ、疲れるなぁ。ロジ、抱っこして。」 みんながそれぞれの道を歩む中で、ミトは相変わらず、ロジに甘えて暮らす日々だ。 「ミトはそのままでいいんだよ。私の天使。」  ロジは優しい。でも、ミトは何かが足りない気がしている。 「ロジに飼われてるだけなの、僕は?」 「なんだって! 飼われてると思うのか?」 珍しく語気を強めた怖い顔のロジがいた。

ともだちにシェアしよう!