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第181話 ポスター
雑誌の写真掲載に、みんな少なからず衝撃を受けている。小鉄が
「リチャーズ商会のポスター撮影の話を進めたいんだけど。
ミトの希望で礼於とのツーショットになるのね。ロジャーも傑もいいの?」
「私は、ミトに惚れ直すような写真を期待してるよ。でも、ミトはやらんぞ。」
「ロジ、おじさんっぽい。」
礼於は傑の顔を見ている。
「傑、ボク出来るかな?」
撮影はアキラとハル君でするらしい。これもミトのリクエストだ。
「緊張しないようにアキラ君に撮って貰うんだろ。」
アキラは写真専門学校に進学した。BL漫画とカメラマンの二足の草鞋を履く、というわけだ。
同人誌の写真集で人気が出た。一応、駆け出しの写真家ではある。
ハル君は映画監督を目指して大学に進んだ。みんなプロを目指している。白薔薇さんたちは頼もしい。もうファンクラブの域を超えて、個人事務所のスタッフのようになっている。
撮影のシナリオは千賀子さん達が考えてくれた。前回の“紅茶王子の初恋”の続きにするか?
全く違うものにするか?
打ち合わせのような集まりから、いよいよ、来週から撮影が始まる、と言うところまで来た。
「ふうっ、疲れるなぁ。ロジ、抱っこして。」
みんながそれぞれの道を歩む中で、ミトは相変わらず、ロジに甘えて暮らす日々だ。
「ミトはそのままでいいんだよ。私の天使。」
ロジは優しい。でも、ミトは何かが足りない気がしている。
「ロジに飼われてるだけなの、僕は?」
「なんだって!
飼われてると思うのか?」
珍しく語気を強めた怖い顔のロジがいた。
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