ロジとミトがイギリスに行く前に倶楽部のご老人に挨拶に来た。 「そうかい、ここにも世界の風が吹き込んでくるのう。いい事じゃ。しばらく寂しくなるが。 ミトも連れて行くんじゃろう？」 「もちろんです。」 「ミトは日本を離れて寂しくないのかい？」 「おじいちゃん達は忘れちゃったの？ 僕、前にハジメを追いかけてインドに行ったよ。」 「そうじゃった。今は外国ったって、近いもんじゃな。寝てれば着くじゃろ。」 　ミトはこの際だから、疑問に思っていた事を聞いてみた。 「おじいちゃん達は、長生きなの？それとも死なないの？」 「うーん、説明しても理解出来ないと思うよ。 わしが答えるよりも、イギリスに行ってから考えたらどうじゃ？宿題にしよう。 　ストーンヘンジなんかに行くと、答えが見つかるかもしれん。」 「また、おじいちゃん達に煙に巻かれた。 ま、いいか？」 「ロジャーも何か、宇宙の摂理に触れて来なさい。ふぉっ、ふぉっ、」 　咳き込んでいるのか？笑っているのか？わからない声がした。 「僕が帰って来るまで、おじいちゃん達、死なないでね。」 「大丈夫。多分、おまえたちより、長生きじゃよ。」 　老人達は、奥、へ帰って行った。 「ロジ、傑と礼於の所にも寄って行こう。」