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第190話 実業家

「まあ、凄いのね。 もうイギリスに行く日程は決まっているんですか?」 「はい、それで今は挨拶回りの毎日です。」 ミトがロジの手を握って離れない。ミトに 「あなたもご一緒にいらっしゃるの? 今、テレビコマーシャルが話題でしょ。 レオンと二人で大人気よね。」  ミトと礼於のコマーシャルがテレビで流されているのは、普段テレビを見ないミトでも知っていた。同じ時、作ったポスターも、また盗難続出、だそうだ。紅茶の売り上げも爆上がり、らしい。 株にも影響して、ストップ高になりそうだ。 「私もサー・リチャーズ商会の株から目が離せませんわ。ロジャー先生の会社ですの?」 「祖父の起こした会社です。私は直接経営に参加していません。株を少し持っているだけで。」 「皆さん、ご活躍ね。 マスターの人脈は凄いわね。」 「お陰様で、可愛がって頂いています。」 「レオンがマスターにゾッコンなのよ。 妬けちゃうわ。 さあ、私は帰ろう。今日は運転手が車で待ってるから。  ロジャー先生、またお会いしましょう。 ロンドンでお食事でも。」 菫ちゃんは帰って行った。 ミトはご機嫌斜めのようだ。 「ロンドンでお食事、だって。その時は絶対僕も一緒だからね。」  ロジは笑ってキスしてくれた。

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