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第192話 二人だけ

 他には何もいらない。いっそのこと、この世界が丸ごと無くなってしまえばいい。誰も知らない二人だけの世界へ行きたい。礼於と二人っきりで生きて行きたい。  愛しているんだ。心が痛い。その手を離さないようにしっかり掴んでいたはずなのに、礼於に手が届かない。 「はっ、夢を見ていた。」 朝方だった。薄い光が差し込んでくる。手を伸ばせば礼於がいる。 「ああ、礼於。」 思わず抱きしめる。腕枕をして抱いていた、その手に力を入れた。 「う、ん、傑、もう朝?」 「まだ、寝てていいよ。」 「傑、肩痛くない?」 「ははは、大丈夫。イタズラしてもいいか?」 礼於の身体を弄る。可愛いやつ。  傑の大きいパジャマを着ている。 「礼於のパジャマを買ってあげるよって言うのに、いつもそれを着てるね。」 「だって新しいと傑の匂いがしないもん。」 「ライナスの毛布、か?」 「傑に抱かれてるみたいで、これが好きなの。」 寝ぼけていたのか、また柔らかい寝息が聞こえ始めた。パジャマの中に手を入れる。滑らかな身体を触る。パジャマのズボンは穿いていないが、下着は付けている。普通のボクサーパンツ。ビビッドな色が可愛い。  パンツの上からそっとペニスを触ると、傑の手にグッと押しつけてくる。  まだ、そんなに固くしていないけれど、だんだん熱を持ち始める。我慢出来なくて手を入れて直に探ってしまう。  もう固くなって来た。 「う、ん、傑、起こしたでしょ、ボクのあそこ。 ダメだよ、エッチな夢見ちゃった。   傑みたいなマッチョな男に犯される夢。」 可愛い事を言いながら抱きついて来る。 「キスして、うんとエッチなキス。」 「礼於は寝ていても煽るなぁ。襲っちゃうぞ!」 「うん、傑になら強姦されたい。」 「馬鹿な事。壊さないように大切にしてるのに、 物足りないのか?」 パッと目を開けて 「傑に乱暴されたい。」

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