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★第2話 医務室
今日の巡回の報告をして、アマギを医務室に連れて行く。
魔術師で医者のトマスが、アマギをベッドに寝かせて診察をする。
診察が終わると、ベッドのカーテンを閉めて出てきた。
「単純に、性欲がマックスで可哀想だ。対処は簡単なんだから、アマギの性欲が尽きるまで、お前が相手をしてやれ。」
「いや、それができないからここに連れてきたんじゃないですか。」
「なんでできないの?お前だって、男の経験がないわけじゃないだろう。」
「まあ、そうですけど……。」
「これはちょっとした事故だよ。一回限りだし。先輩として責任をとれ。」
責任問題と言われると弱い。
「ベッドもあるし、ほら、これ使っていいから。」
と、色々なグッズまで提供してくれる。
「じゃあな。鍵かけるの忘れんなよ。帰る時は鍵かけなくていいから、鍵は机に置いといて。」
そう言ってトマスは出ていってしまった。
――――――――――
仕方なく、ベッドに向かう。
カーテンを開けると、アマギがこちらに背を向けて横たわっていた。
横の棚に服が畳んであり、もう裸らしい。
トマスの手際が良すぎる。
シモンは上着を脱ぎながら聞いた。
「アマギは、女が好きなの?」
「はい。」
「男としたことは?」
「ないです。」
胸が痛い。
こんな形で初体験なんて。
早く済ませてあげよう。
シモンは裸になり、布団をめくった。
むせ返るようなフェロモンだ。
具体的に匂うわけではないが、アマギの全身からエロい物質が出ているのがわかる。
アマギの肩をそっと引いて、仰向けにする。
アマギはもう涙目で、すでに呼吸が荒くなっていた。
細マッチョな体が汗ばんでいる。
確かに、このままじゃ可哀想なのは可哀想だ。
「その……これは、仕事上、仕方ないのだから……。」
聞こえているかわからないが、一応、言っておく。
意を決して、布団をはがし、アマギにまたがる。
キスをしながら、体を触ってやる。
「……はぁ、あ、ん……。」
アマギから積極的に舌を入れられる。
もう我慢できないのだろう。
体は、本来筋肉で固いはずなのに、たがいの肌が吸い付き合うようにしっとりと柔らかい。
魔法は、体つきも変えてしまうのかもしれない。
首筋にキスをした時だった。
「あっ……!ダメ……っ!」
アマギは身をよじらせた。
不覚にも、声が可愛いと思ってしまった。
首筋が弱いらしい。
そんな簡単な場所で気持ちよくなってもらえるなら、お安いご用だ。
シモンは首を唇ではみ、舌を這わせた。
「あっ……!あぁっ!」
腰が動き、足をばたつかせている。
よっぽど弱いらしい。
「も、もう、イかせてほしい……。」
それもそうだ。
アマギのそれはもう限界になっている。
「……入れたい?入れられたい?」
「……シモンさんは……普段、どっちなんですか?」
アマギに今彼女がいないくらいは知っているが、それ以上そういう話はしたことがない。
こんな、急に自分の性をカミングアウトしなくてはいけないなんて。
でも、アマギの初めてを奪うなら、それくらいは仕方ない。
「俺は……入れられる方だけど……。」
「……ユンさんと、付き合ってるんですか?」
よく知ってるな。
大っぴらにはしていないが、隠すわけでもない……というくらいのカップルはそこそこいる。
俺とユンもそうだ。
「そうだよ。」
「昨日も……してました?」
「な、なんで知ってるんだよ……。そうだけど……。」
「……入れてほしいです……。」
ユンのくだり、要る?
何が決意のきっかけかはわからないが、アマギをうつ伏せにし、お尻を突き出させた。
すごくそそるポーズだ。
自分はアマギより少し体が大きく、筋肉が大きい。
ユンは自分より細身だが背が高いので、二人ともいわゆる男らしい体だ。
それに比べて、アマギは程よい筋肉にしなやかさがあって、見ているだけでもエロい。
シモンはトマスが用意したローションを指につけ、ほぐしてあげようとした。
「あれ?」
触ってみると、すでに柔らかい。
「んっ……。」
触れられて、アマギは感じているようだ。
少し強めに動かす。
「ん!あっ……。」
アマギの腰が動く。
ゆっくりと指を入れていく。
すんなり入ってしまった。
「あ……っ……。」
「……本当に初めてなの?」
「は……初めてです……。」
「こんなにもう入るのに?」
指を動かしてやる。
「あぁっ!」
これも魔法の効果なんだろうか?
とりあえず、あまり気を使わなくて良さそうだ。
指を増やし、ちょっと強めに動かすと、アマギの喘ぎ声が部屋に響いた。
シモンは指を抜き、自分のを挿入した。
奥の方まで突いてやる。
「んあっ!」
アマギは腰をそらせた。
アマギは他の隊員よりも頭一つ抜けていて、周りからも一目おかれている。
将来は幹部候補でもおかしくない。
そんなアマギが、今はこんなにみだらになっている。
少しずつ強く突いていく。
「ああ……!もう……焦らさないで……っ!」
アマギは息も絶え絶えながらに、少しイラだったように言ってきた。
もう少しいじめてやろうかと思ったが、そこは抑えて、ご要望通り激しく突いてやる。
「はぁんっ!あ!あんっ!」
アマギはシーツを強く握りしめ、快感に溺れていた。
シモンもアマギの堕ちる様子を見て昂っていた。
そしてアマギの下腹部から、あふれ出たのが見えた。
シモンもまた果てた。
アマギを後ろから抱きしめる。
初めてだから、終わりのフォローは大事だ。
汗まみれで、お互いの荒い息と鼓動が重なる。
これでライライチョウの魔法……というか呪いは解けるだろう。
アマギはぐったりとシモンに寄りかかった。
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