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★第13話 大神官ザニス
アマギは西の聖石堂に来るように言われ、中に入った。
だだっ広い空間で、奥の壁にはこの地域で信仰されている神の像が飾られている。
その下には、清めの水が蓄えられている。
水は、明かりを反射して、キラキラと輝いている。
この1週間、自分の精神が保てるときと、性欲で頭がおかしくなることが半々だ。
性欲が高まるときは、シモンのことが思い出される。
シモンに会いたい。
突然、あかりがついたり弱まったりと、不安定になった。
アマギの手首に赤い光りが集まり、手錠のような形になる。
強い力で手首が引っ張られ、部屋の中央まで引きずられる。
そして、まるで天井から吊るされるように体が浮いた。
「な、なんて強力な魔術なんだ……っ!」
足をばたつかせ、体を動かしてもびくともしない。
「お前が淫魔に魂を売ったアマギだな?」
入り口から、簡易な法衣を着た男が入ってくる。
「……ザニス大神官……?どうしてここに……?」
大神官ザニスは、悪魔を力技で祓えることで有名だ。
逆に力が強すぎて、悪魔祓い中に死んでしまった人間もいる。
「悪魔に魂を売り、男をたぶらかして、秩序を乱す兵士がいると聞いてね。」
ザニスは蔑んだ目でアマギを見た。
「俺は、悪魔に魂を売ったりなんかしていない!」
「悪魔は、自分にふさわしい人間を選ぶのさ。お前がインキュバス化している事実こそが、お前が淫乱の証だろう?」
「俺は、好きでそんなことをしているわけじゃない!ライライチョウを見てしまったからだ!俺は早く元の体に戻りたい!」
「悪魔に取り憑かれた奴はね、みんなそう言うのさ。全部悪魔のせい。本当は自分の中に、悪魔がつけいる隙があるのにね。」
ザニスは魔法を放った。
アマギの全身に電流が走る。
「ぁああっ!!」
身体がゾクゾクする。
呼吸が荒くなり、手足に力が入らなくなる。
「不思議なことにね、この魔法は普通の悪魔に取り憑かれてるなら気絶するほど痛いんだよ。でも淫魔だとイッた時みたいに気持ちいいんだ。」
そう言って、ザニスはアマギのズボンを引き下ろした。
「ほら、自分でちゃんと見て、確認してみろ。興奮してるじゃないか。」
ザニスはアマギのそれを強く握った。
「うっ……!」
ザニスの冷たい手の感触が伝わってくる。
「認めろ、アマギ。お前は相手を誘惑し、堕落させる。そして、お前はそうやって快楽を貪っているくせに被害者面をする。お前は歩いただけで色気を振り撒いているんだよ。それじゃあまともな男がいなくなってしまう。迷惑だ。さっさと自分は淫魔だと認めて、俺に祓われろ。」
「俺は……そんなことをしていない……!」
「よく言い張るね。」
ザニスは魔法でアマギの服を燃やし、アマギを全裸にした。
アマギは床に落とされた。
倒れたアマギに、ザニスは鞭を振るう。
アマギは手に手錠されたまま体をまるめ、腕とすねで鞭をガードする。
皮膚が裂け、血が飛び散る。
「やめて欲しかったら、いつも男を誘惑するようにやってみせてみろ。俺がその気になったら、優しくしてやるよ。」
容赦なく鞭はとぶ。
「俺は!誘惑なんかしていない!」
アマギは叫んだ。
「ふうん。じゃあお前が普段どんな格好をしているか、再現してあげよう。」
手首と足首に手錠の魔術が発動する。
無理矢理に手は頭の上に、足は股を開くようにされる。
抵抗するが、もちろんザニスの魔力に敵うはずがなかった。
恥部が丸見えになる。
「…………っ!!」
ザニスは、鞭の柄でアマギの陰部をそっと撫でた。
ザニスに見下ろされ、侮蔑の視線を受ける。
悔しい気持ちと裏腹に、アマギのそれはそそり立ち、体はほてる。
「恥じらう演技はさすがだな。だが、本当のお前はこんなんじゃないはずだ。」
ザニスは鞭の柄をそのままアマギの穴に突っ込んだ。
「あぐ……っ!!」
痛みが走る。
痛みで涙がにじんだ。
ザニスは容赦なく柄を出し入れする。
「うっ!あっ!」
「今まで何人の男をこうやって堕落させた?言ってみろ。」
「くっ……あっ……!」
アマギの瞳が赤みを帯びてくる。
痛みがだんだん快感に変わってくる。
「はぁっ……。あっ……。」
鞭で裂かれた皮膚も治り始め、柄を咥えたところも潤ってきてクチュクチュと音を立て始めた。
ザニスの出し入れに合わせて腰が動き始めた。
「あっ!ああっ!!」
「はは!ほら、やっぱりな!ようやく正体を現した!」
ザニスは、グッと奥まで柄を入れた。
「んあっ……!」
さらにザニスが柄を細かく動かす。
「ぁんっ!あっ!い……っ!」
アマギは射精した。
「やあ、もう身体は立派な淫魔だな。まだ精神は人間のようだが、それもフリかもしれん。お前がどこまで堕ちているか、ちゃんと調べないと。」
ザニスは鞭の柄をアマギから抜いた。
柄からアマギの愛液が垂れる。
「もっと欲しいんだろ?おねだりしてみろ。」
身体はもっと刺激を求めていた。
下半身からの疼きが快感に変わって止まらない。
身体は、ザニスの残忍さに犯されることを望んでいる。
でも……
シモンのことを思い出す。
シモンは、何度もアマギのために駆けつけてくれた。
シモンの元に、帰りたい……。
アマギは奥歯を噛み締め、頭を振った。
「しぶといね。」
ザニスはアマギの髪を掴んで上半身を起き上がらせると、自分のモノを出してアマギに咥えさせた。
「んぐっ!はっ……!」
いきなり口の奥までいっぱいになる。
「咥えている間に思い出せ。もう一度聞く。何人の男をこうやって堕落させた?」
ザニスは、アマギの頭を押さえつけ、激しく出し入れする。
「んぷ……っ!は……っ!」
生臭いにおいがまとわりつく。
思い出したくない記憶があった。
いつの間にか、消えていた記憶だ。
今の自分にはもう関係なくなっていたはずなのに。
アマギの目から涙が溢れた。
同時にザニスの精液が口から溢れる。
「……こぼさないように飲め。」
咳き込みながらも飲み込み、手錠をかけられた手で口を拭う。
ザニスがアマギの頭を撫でながら言った。
「思い出したか、アマギ。お前はこうやって色んな男のを咥えて来たんだ。黙ってても身体が男を求めている。汚れ切ってるんだよ。お前はもはや、そうにしか生きられない。普通に幸せになることなんて、できないんだよ。それを、自分で認めろ。」
アマギは涙を拭った。
ザニスはアマギの上体を突き倒した。
アマギの穴に指を入れる。
「あ……っ!」
「淫魔になると、ここが女みたいに潤うんだよな。ほら、さっきイッたばかりなのに、まだまだ欲しがってるじゃないか。」
ザニスは指を動かし、わざとクチャクチャと音を立てた。
「あっ……んんっ……!」
「シモンとやらのことは諦めろ。これだけ性玩具のように扱われて喜んでいるお前の姿を見たら、誰だってお前のことを軽蔑するよ。」
シモンは優しく抱いてくれた。
シモンのキスが好きだった。
シモンは俺を物扱いしなかった。
「今の半人半妖では祓えない。淫魔になり切ってしまえば、あとは俺がなんとかしてやる。さあ、後を向いて、尻を突き出せ。気持ち良く腰を振っている間に終わるからな。」
シモンに……自分の過去を知られたくない。
シモンに……嫌われたくない。
人間に戻りたい………。
アマギは息も絶え絶えに、ゆっくり身体をうつ伏せにした。
拘束されたままの手を床につき、膝をつく。
身体が震えている。
上半身を引くして、腰を上げた。
腰にザニスの手がかけられた時だった。
突然明かりが消えた。
「なんだ!」
レーザー銃が撃たれる。
ザニスはプロテクトをはって銃撃を防いだ。
レーザーソードが振りかざされる。
「アマギ!逃げろ!」
シモンの声だ。
いつの間にか手錠の魔術は消えていた。
シモンの声に意識がはっきりし、よろけながらもアマギは出口に向かって走った。
「シモンだな!貴様!俺の邪魔をして、タダで済むと思うなよ!」
「知るか!変態野郎!」
シモンはザニスの腹に一太刀入れた。
プロテクトされたものの、かなり入った。
ザニスは吹っ飛ばされ、床に倒れた。
出口にはロータスとビャクナがいて、アマギの体を浄化し、服を着せた。
「アマギ……本当に申し訳ない……。敷地の入り口に車からを用意した。荷物も積んである。シモンと逃げるんだ。」
ビャクナが言った。
三人は車まで走った。
アマギを後部座席に乗せる。
シモンが後から来て、運転席に乗った。
「……あんたらには恨みもないが、感謝もない。あの変態が来ないうちに、もう行くよ。」
シモンはそう言って車を出した。
遠ざかっていく車を二人は見送った。
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