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侵犯 2
「突いてくれ……もっと、強くしてほしい……」
声が震えていた。性交の経験がないために、どうやって言えばいいのか手探りであるらしかった。
色情に慣れていればこんなに躊躇することもなかったはずだった。鋭敏で強欲になってしまった膚とは裏腹な、その清らかな心根が支配欲を膨らませるとは知らない。
興奮を伝える恥ずかしさにも、腰を慄えさせている。
呟くような言葉とともに、いじられている乳首が、布越しでも形がわかる程硬くなり勃起した。
それを捻るように指で押し潰す。声を抑えようとした喉が、ぐっと鳴る。
アルヴァは反らせた頭を振った。
「……胸は、っ……もう、やめてくれ……」
密着させた腰をバルドに押し付けながら、そう言葉を絞り出した。
「どうして?」
顔を隠すように視線を逸らしたまま、唇を少し動かした。
「感じすぎる、から……」
至近距離であるためか、芳香がにわかに濃くなったように感じられた。
恥ずかしい感覚を言葉にすると、その体がまた火照っていくのが分かる。
この初心 そうな肌をした、美貌の騎士は己を組み敷く男を巧みに煽りたてる。
どれだけ蕩かされても、どこかに気位を残したままでいる。
下ろした手で、引き締まった腰を掴んだ。
上体を起こすと入り込んでいる位置が変わり、内壁を押しあげた。
「ん、んっ……」
単なる出し挿れではない、上側を刺激するように角度をつけて引き抜いた。
形を得ようとする歓喜が、どろどろとわだかまり、腰から背までを這いあがって、ぞくぞくと震わせる。
常並の精神力なら、すぐに哀れに懇願していたはずの気の遠くなる寸止めの後の、発情した肌は鮮烈に刻みつけられる悦楽を望んでいた。
掴む手に力を籠めて、尻に下腹が当たるまで深く穿った。硬い先端を腸壁に擦り付けると待ち兼ねたように、ひだが絡みついてくる。
また、ぞりぞりと擦りながら、引き抜いて押し込む。
「あッ……ぅあぁっ……あぁ…ッ!」
指が白くなるほどシーツを握りしめていた。
深く浅く、押し広げられて突き上げられると声が洩れる。与えられる快楽をあまりにも心地良さそうに貪った。
眉根を寄せて、仰け反った背をベッドに深く沈める。唇はだらしなく開かせて、きつく目を閉じる。
湧き起こる性感に身を委ねていた。執拗な抽挿が、熱をはらんだ体を着実に昇り詰めさせる。
無意識に腰を浮かせ、自己の良いところを擦ってもらえるように揺らした。
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