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侵犯 4

 突かれる度に高まり、痙攣を繰り返す。  余韻さえおとずれない長く続く絶頂は、思考も真っさらに押し流した。  がくがくと震えさせている最中も、脳髄までを灼くような極まりを生み出す一点を擦り責め立てる腰遣いは弱めず、追い詰めることを目的とするように繰り返し打ち付けた。 「また…っ……来る……ッ、また…イくッ……イクっ…いっぐ、ぅッ……!」  肉欲を満たす暴力的な歓喜を引きずり出され、呼び起こされれば、従うしかなかった。  自分が何を口走っているのか理解したくもない。  けれど突き上げられると腹の奥から、背筋から震えが湧き起こって、どうにもできなかった。善がる声を我慢できない。  これまで知りようもなかった激しい快楽と、全身を溶かされる多幸感。  硬さはさっきよりも失われていたが、まだ勃起したままのそこから、押し上げられ絞り出されるように射精の名残りのように白っぽい粘液が腹の上に飛び散った。  シャツの臍の下あたりが滴るほど濡れている。先走りか精液かも分からなくなっている。  渇望し続けた分だけ全身を侵食し尽くす喜悦は長引いた。  快楽を為す術なく引き出す抽挿を、腹の内側の深いところで受けとめながら、腰を浮かせて何度も何度も緊張と弛緩を味わった。 「気持ち良いのがそんなに好きなのか」  ひとしきり果てたアルヴァの熱い腹の中で、動きをとめて留まった。  押し開くものをぐねぐねと嘗める貪欲な柔い肉の感覚に耽溺した。 「それは、貴様が……」  弾む息を抑えながら出た言葉は、その端が小さくなる。  だらしなく弛んだ顔を見られたくないのか、手の甲で半分を隠していた。 「お尻で気持ち良くなれるのは、君はこのセックスが好きなのだよ。それだけの性欲と才能があるってことだ」  そんな甘ったるい言葉を聞きながら、視線をそらし顔を背けた。 「長く我慢させられたからだ……私が特別なわけでは、ない……」  その声は呟くようで、明確な調子を持たない。  指摘されれば、きっぱりとは否定できなかった。  快楽の味は想像を有に超えていた。  深い絶頂は、脳にも全身の神経にも刻みつけられた。理性の(たが)がなければ、際限なく求めてしまいたくなるくらいの幸福感だった。  そう思ってしまう自らにも、嫌悪感をいだいている。  抱いて欲しいと己からねだりはしたが、組み敷かれる屈辱も、尻穴での性行為にも慣れたくはない。 「可愛いな……ずっと抱かれてたいと言わせられるほど、気持ちいいことを教えてあげたいよ」  髪を梳かれて、腹のなかのものをきゅんと締めた。  自身がしめす欲情の反応に、唇を噛む。  とどまっていた狭隘な合間から、ずるりと引き抜くと、バルドは座る姿勢を整えた。 「おいで」  仰臥から体を起こした。そう言って誘っている男を見やる。  ベッドの上で脚を曲げて寛いだ姿を見せ、男は両手を広げている。 「私はまだ出してないのだから、君には最後まで付き合ってもらわなければ」  両脚の間で反り返る屹立は、未だ解放に至っていなかった。  濡れてつややかに淫猥な色をしたそれに、視線を吸い寄せられる。  アルヴァは暫しの逡巡に、身を固くしていたが、ゆっくりとにじり寄った。 「ここにまたがるのだよ」  言われる通りに、バルドの腰を両脚で挟むように膝立ちになる。  脇腹を支えられながら、じわじわと硬さを迎え入れていく。開いた太いえらが、奥まった粘膜を割り拡げていった。 「…ンっ……」  さっきの体勢とは違う感覚に、心地良さそうに鼻を鳴らす。  常人以上の太さと長さに、ぐっぱりと押し開かれているというのに、心底を暖めるようなこの充足感がどこから来るのか不可解だった。

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