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第24話(倉木の元カノ再登場!)

ガチャ 「ただいま」 「おっ! おかえり。雪、先生とはどうだった? 」 雪の帰りを待っていた律は、帰ってきた雪に真っ先に尋ねた。 「えっと…付き合う事になったよ」 恥ずかしそうに律に話した。 「オー!! そっかそっか、よかったな! 」 律は嬉しそうに、雪の頭をグシャグシャした。 「大丈夫だとは思ってたけど、まさか無かった事にーなんてなってたら、殴ってやろうと思ってたぜ」 「もう、律ったら」 律は雪を抱きしめ、 「雪、本当によかったな。これで俺のお守りも卒業かな? 少し寂しいけど、先生なら安心して、任せられるしな 」 「律…、いつもごめんね、ありがとう。 僕も和希さんや律に迷惑かけないように、ハッキリ断れる様にするよ」 「お前はいんだよ! それするとまた安田みたいに逆恨みされるからな。ホントにあいつは頭イカれてるぜ! あれから接触とかないのか? 」 「うん、全然だよ」 「なら、よかった。先生と付き合ったからって、俺とも遊んでくれよ? 」 「もう! からかわないでよー。いつも通りだよ」 「はは、そうだな。仕事一緒だし」 ドサッ!! 音にビックリして振り返った2人は、カバンを落として驚いてる颯太がいた。 「あっ…兄さん。お、おかえり」 「あー、今の聞いてたかな? 」 「雪ー、お前あいつと付き合う事にしたのか? 」 雪の両肩に手を置いてユサユサ揺さぶりながら、颯太が聞いてきた。 「う、うん。兄さん、揺らさないでよ」 颯太に揺さぶられ、頭がクラクラしてきた。 「フゥー、もう! 帰ってきたらちゃんと言うつもりだったんだから、慌てないでよ! 」 「颯太さん、雪が先生の事好きなの知ってるのに、なんで付き合うってなったら、そんな慌てるんっすか? 」 「好きだけと、付き合うは違うじゃないか! 付き合うなら、キスとか色々するんだろ? あー、あいつに雪を食べられる! 雪、まさかもうしたんじゃないんだろうな? 」 「ちょっと! 兄さん、やめてよ! 」 「しばらくは、健全な付き合いをしなさい! 」 律が呆れたように、 「いやいや、健全な付き合いって、中学生じゃあるまいし。こないだだって、キスしようとしてたんだろ? じゃあキス位はもうしたんじゃないか? 」 ニヤニヤしながら、雪を見る。 「ちょ!律! 」 雪は公園での出来事を思い出して、首まで真っ赤になった。 「雪、赤くなってるじゃないか! まさか…お前…」 「もう! 2人共止めてよ! この話はおしまい! 」 「それより、兄さんはさくらちゃんと連絡とってるの? 」 「すぐ話をすり替える。 一応とってるぞ、今度ご飯に行く約束した」 「おー、颯太さんにしちゃ、勇気出しましたね? 」 「ホントだ! 僕の事はいいから、さくらちゃんと楽しんでね」 「クソッ、2人して俺をからかいやがって! 」 フンッと呟いて、自分の部屋に入って行った。 「ハァー、もう兄さんはしつこいんだから! 律も同調しないでよ! 余計兄さんに質問攻めにされちゃうんだから」 「はは、悪い悪い、つい嬉しくてな。それより本当にキスとかしたのか? 」 「…うん」 公園での出来事を話すと、 「マジか? 先生すっげーな? 想像より野獣だわ」 感心したように律が感想を言う。 「でも、雪も嫌じゃなかったんだろ? 」 「嬉しかったけど、恥ずかしくて、死にそうだった…」 「最初はそうだよな。そのうち慣れるよ」 「だと、いいけど心臓が持たない…」 情けない顔をする雪に、 「雪が止めて、って言ったら止めてくれたんだから、雪の気持ち尊重してくれてるよ。雪のペースで進めばいいさ。頑張れよ」 「うん、ありがとう律! ところで律は倉木先生に連絡したの? 」 「その話するなよー、まだしてないよ。まだ話すの気まずいし…」 (さっき、和希さんに倉木先生の様子聞いたけど、言わない方がいいかな? 律の様子見てると会えなくて辛そうだけど、まだ答えが出てないみたいだし) 「そっか、早く話せるといいね」 雪は律の背中をポンポン叩いた。 「そうだな、じゃあ寝るか! 雪の話を聞きたくて待ってたから、眠いわ」 ファーアと欠伸をしながら、律は自分の部屋に入って行った。 雪も自分の部屋に入る。 「アン! アン! 」 プリンが嬉しそうにしっぽをフリフリしながら、飛びついてくる。 「プリン! ただいまー」 雪はプリンを抱っこしながら、今日の出来事をプリンに聞いてもらった。 プリンに話しながら、思い出してまた顔が赤くなる雪だった。 __________________ 雪と斉川が付き合いだしてから一週間が過ぎた。 律は相変わらず、倉木に連絡が取れず、悩む日々を送っている。 (ハァー、今日も翔さんに連絡出来なかった! 俺、何やってるんだろ? 普通に連絡して、今まで通りがいいって言えばいいだけなのに…なんで言えないんだ? ) 「あー! 俺ってこんな優柔不断なのか? クソッ! 」 思わず声に出て、訓練中の犬がビックリする。 「あっ、ごめん。驚かすつもりはないよ」 優しく犬の首筋を撫でて、落ち着かせる。 (犬にまで困らせて、俺ってば…でも連絡出来ないのは今まで通りが嫌なのかな? 実は翔さんと付き合いたいって事か? でも付き合ったら、別れもくるだろうし…) 律は倉木との関係が心地よくて、別れて会えなくなるのが怖いようだ。 (友達なら、別れるとかもないのに…なんで恋人だと別れるとかになるんだろう…ずっと一緒なんてありえないよな? ) 律は今までの彼女達を思い出して、また悩み出した。 ガチャ 「いらっしゃいませ! 」 入口が空いて、女の子が入ってきた。 「ご予約のお客様ですか? 」 雪は予約表を見ながら、確認をする。 「あっ、すいません、違います。あのー、私丹治って言いますが、今家さんっていますか? 」 「今家ですか? はい、いますが…少々お待ち下さい」 雪は保育園の方に入って行って、律を呼ぶ。 「律、今丹治さんって女の人が、今家さんいますか? って来てるけど? 」 「えっ? 丹治? 誰だ? 」 「知らない人? 」 「うーん、その名前に記憶はないけど…行ってみるよ」 「うん、僕今暇だからワンちゃん、見てるよ」 「ああ、よろしく」 「すいません、お待たせしました。今家ですが…あっ! 君は…」 「こんばんは、こないだ本屋で会った丹治といいます」 受付に居たのは、倉木の元カノの愛菜だった。

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