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第27話(律の妄想※)
「ただいまー」
律が帰ってくると、ソファに雪と斉川がいた。
「律、おかえり! 」
雪が心配そうな顔で近づいてくる。
「雪、心配かけて悪かったな。大丈夫だよ、翔さんとは仲直りしたし、付き合う事にしたよ」
「えっ? ホント? よかったー」
雪は嬉しくて律に抱きつく。
「コラ、雪! 彼氏の前で他の男に抱きつくな」
文句を言いながら、斉川が雪を律から剥がす。
「はは、先生って意外に独占欲強いんっすね? 」
「和希さん…律とはそんなんじゃないですよ…」
「知ってるが、不愉快だから距離をとって話せ」
「もう…、でも律ちゃんと答え出したんだね? もう迷いなないの? 」
「ああ、色々考えてたけど、やっぱり一緒にいたいのと、他の子と話すのを見るのが嫌だって辿り着いたから、誤魔化して友達だ友達だって思うのは止めたんだ。そうすると、すんなり好きじゃん! って思えたよ」
律は改めて、倉木への思いを口にした。
「そっか、ならよかった! じゃあまた、みんなで遊ぼね! 」
「そうだな」
話が一区切りついた所で斉川が、
「じゃあ俺は帰るぞ」
「あっ、はい! 下まで送ります! 」
「ここで、大丈夫だ。また連絡する」
そう言って、律の前で雪にキスをした。
「ちょっ…和希さん…」
雪が顔を真っ赤にして、恥ずかしそうにする。
「律がいるのに…」
「いたっていいだろ? したかったんだから、じゃあな」
「もう…おやすみなさい」
「お疲れ様っす」
バタン!
斉川が帰ったのを確認してから、
「なあ、雪! お前もう先生とやったのか? 」
律が聞いてきた。
「やったって何を? 」
意味が分からず雪はキョトンとした。
「エッチだよ! エッチ! セックスしたのかって聞いてるの! 」
「ちょっと、律! まだ付き合って1週間だよ! する訳ないじゃん! 」
また、顔を真っ赤にして雪が言い返す。
「いや、斉川先生って意外と野獣度が強めみたいだから、もうしたのかなーと思って。俺だってだいたい1週間あったら、してるぞ? 」
「そんなの知らないよ! しかも聞いてどうするの? 」
「いやー、それならどんな感じか教えてもらおうと思って」
「どんな感じって? 僕は初めてだよ? 律の方がそうゆう事には詳しいじゃん! 」
「いや、さすがに男とした事はないしな~、それに俺が、う…」
そこまで言って律がどもる。
「俺が、う…って? 」
「いや、なんでもない! 俺風呂入ってくるわら! 」
「えっ? ちょっと、途中で止めないでよー気になるじゃん! もう! 」
風呂場の扉を閉めて、律はフゥーと息を吐く。
「やっば! 俺が受けかもしれないなんて、雪には恥ず過ぎて言えないわ! 」
(そういえば、俺は受けなのか? 夢で出てきたから、そう思ってたけど、実は違うのか? 翔さんが受けとか? うーん…)
律が受けの場合…
「アッ…っ…そこ、いい…翔さん…」
「律…君の中は熱くて…やけどしそうだ…」
「ンッ…ンッ…アッ…もっと…奥まで…」
「律はおねだり上手だな…少し早く…動くよ…」
「い…いい…ンッ…ンッ…アッ…」
律が攻めの場合…
「律…早く…動いて…アッ…アッ…ンッ…いい…」
「翔さん…俺…もう…やばい…」
「…ハァ…ハァ…アッ…早い…律…そんな…早く動くと…アッ…」
「…俺も…アッ…アッ…翔さん…の中…気持ちいい…」
「…アッ…アッ…ッ…ンッ…アッ…アッ…」
(どっちもいい!! やばい、興奮してきた…)
想像だけで大きくなった自分のを、触りながら律は翔への思いを膨らます。
「…アッ…ンッ…ハァ…ハァ…アッ…翔さん…ンッ…ンッ…イク…イク!! …アッ!! 」
「ハァ、ハァ、ハァ」
(俺、やばいな…付き合えたと思ったら、めちゃくちゃ翔さんに触りたいし、触られたいと思ってるわ…)
律はシャワーを浴びながら気持ちを落ち着かせる。
(俺が受けでも、攻めでもどっちでもいいや。翔さんが好きな方で! )
律はその時は翔に任せようと思い、次会うのを楽しみにしていた。
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