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第33話(斉川と雪※)
「アッ…ンッ…ンッ…ハァ…ハァ…」
「クッ…ッ…雪大丈夫か? 」
斉川のものが全部入り、動きたいのを必死で押さえ雪の心配をする。
「ハ…イ…大丈夫です…ンッ…」
「ッ…ゆっくり…動くからな…」
「アッ! …アッ…ンッ…ンッ…アッ…」
痛みと共に快感が押し寄せてくる。
「ッ…ハァ…ハァ…」
「ンッ…アッ…和希さん…好きです…」
「雪、そんな顔で…言うな…」
珍しく上ずった声で、雪にキスをする。
「俺は、愛してる。お前を絶対離さない」
そう言って、少し早く動きだした。
「アッ…アッ…ンッ…アッ…ッ…アンッ…ッ…僕…もう…アッ…アッ…」
「クッ…俺も…ッ…」
「ンッ…アッ…アッ…アッ…ンンンッ! 」
斉川の激しい動きに、雪は先にイッてしまった。
そのすぐ後に斉川が果てる。
「ハァ…ハァ…ハァ…」
雪は激しく息をつきそのままベッドに倒れ込んだ。
「雪? 雪? 大丈夫か? 」
「ハァ…ハァ…はい。大丈夫…です」
斉川は優しく雪の頭を撫で、
「ちょっと激し過ぎたな。すまん、加減が効かなくて。ゆっくり休め」
「大丈夫…です。僕、凄く嬉しい…です」
そう言ったが、疲れもあって、雪はすぐ眠りについた。
「お休み、雪」
斉川は雪の頬にキスをして、後片付けをした。
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「ピピピピィピピピピィ」
携帯のアラームがなる。
「うっ…ううん」
その音で目が覚めた雪は、自分が斉川の腕の中にいる事に気づく。
(和希さん? えっ? あっ、そっか昨日…そのまま寝ちゃったんだ…)
雪はまだ寝てる斉川の寝顔を見て、
(和希さんの寝顔…本当にカッコイイな…僕、この人と昨日エッチしたのか…うっ、思い出すと恥ずかし過ぎる…)
昨日の事を思い出し、朝から顔が真っ赤になった。
「ピピピピィピピピピィ」
(うゎ! また鳴った! )
慌てて、アラームを止める。
(起きちゃったかな? )
斉川を見たが寝てそうなので、ホッとし、そぅーと斉川の頬にキスをした。
「雪、朝からおねだりか? 」
目を覚ましていた斉川が、目を開け意地悪そうに聞いてきた。
「あっ、和希さん! 起きてたんですね? 寝たフリして…意地悪…」
頬っぺを膨らます雪に、
「さっきの、音で目を覚ましたんだ。そしたら、可愛い恋人がキスをしてくれそうだったから、待ってただけだ」
そう言って今度は、斉川が雪にキスをする。
「雪、体は辛くないか? 」
「は、はい。大丈夫です」
顔を真っ赤にしながら、答える。
「なら良かった。まだ早いから寝てろ。今日は休みだろ? 体もすぐには動かないからここにいろ。俺はちょっと病院へ行ってくる。昼には戻るから、待っててくれ」
「あっはい。分かりました」
「シャワーとか、好きに使ってくれ。じゃあな」
再度雪にキスをして、斉川は出勤して行った。
残された雪は、シャワーを浴びようと起き上がる。
「あっ! 痛っ! 」
腰の痛さと、おしりの痛さに驚く。
(和希さんの言ってた事は、これなんだ…本当に痛いんだ…やっぱり少し休んでからにしよ…)
雪は素直にまた、ベッドで寝る事にした。
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「和希、おはよう! 雪君は大丈夫だったか? 」
出勤して早々、倉木が聞いてきた。
「ああ、まだ俺の家で休ませてる。今日は昼で帰らせてもらうぞ」
「大丈夫だよ。今日は午前だけだし、午後のオペは俺とさくらちゃんで大丈夫だから」
「悪いな、助かる。アイツは大丈夫だったか? 」
「あのあと、律と一緒に懲らしめて、文章も書かせてハンコ押させたから大丈夫だよ! シルクちゃんもご飯いっぱい食べて犬舎で休んでるよ」
「そうか、すまんな」
「ねえねえ、それより昨日は雪君と進展はあったのかい? 」
「お前そんな事聞きたいのか? 」
「そりゃもちろん! 先輩として聞いとかなきゃ! 」
「アホか、何が先輩だ! お前の方が得意だろ? 教えるわけないだろ? 」
「えー、ケチ! いいしゃんいいじゃん! 減るもんじゃないし! 」
「減るからダメだ! 」
「おはよう、お兄ちゃん。翔さん」
「あっ、さくらちゃん! おはよう! 和希が昨日の事教えてくれないんだよ! 」
「えっ? 昨日やっぱり何かあったの? 」
朝の眠気も吹っ飛び、目をキラキラして聞いてくる。
斉川は呆れて、
「お前らは暇なのか? 自分の恋人の事でも考えとけ! さくらはダメだが」
「えー、自分だけズルい! 私も颯太さんに連絡しよーっと! 」
ベェーと舌を出し、裏に入っていく。
「クソッ! アイツは相変わらずだ」
「はは、さくらちゃんも颯太君と仲良くしてるみたいだし、いい加減応援してあげなよ! 来週のさくらちゃんの誕生日会に来るんだろ? 」
「ああ…そうだ」
「颯太君は、大事な弟と付き合ってるのを、許してるんだから」
「許されてる様には見えないが…わかった。ガミガミは言わない」
「そうそう! 早く仕事終わらせて帰りなよ」
「ハァー、わかった」
斉川はため息をつき、仕事をしだした。
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