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同棲編 倉木と律 前編
「チチチチ、チチチチ」
律の携帯のアラームが鳴る。
「うーん! もう朝か! 」
律はアラームを止め、伸びをした。
「うーん…」
律の横で、倉木が寝返りを打つ。
「おっと、翔さんは、もう少し寝かせてあげなきゃ。昨日遅かったもんな」
律は、倉木を起こさないようソーッと寝室を出る。
キッチンで、簡単な朝食を作り、倉木が起きるのを待つ。
「今日の獣医師会の準備、大変そうだったもんな。ようやく今日で、終わる」
(全く、教授のせいでこの1週間、翔さん、寝不足だったな。今日の夜はゆっくり出来るかな? 全然イチャイチャしてないし…)
斉川同様、倉木も仕事に加え、準備で毎日夜中まで、やっていた。
終わるとすぐベッドで、寝てしまうので、全くイチャイチャ出来ず、律は悶々としていた。
「でも、今日は打ち上げがあるって言ってたな…斉川先生、絶対出ないから、翔さんが、代わりに行かなきゃなんだよな! 」
(今日は、お預けかな…)
「ったく! 雪はいいな~斉川先生、絶対打ち上げなんか参加せずに、帰るぞ! まあ今日は斉川先生の誕生日だから、仕方ないよな…俺のイチャつきは、明日の休みか…」
はぁーとため息をついて、時計を見る。
「あっ、もう翔さん起こさなきゃ! 」
律は寝室に戻り、倉木を起こす。
「翔さん、もう起きる時間だよ? 獣医師会、遅刻するぜ! 」
律は倉木の布団を動かしながら、起こす。
「うーん、もうちょい…」
まだ寝てたい倉木は、布団を引っ張り抵抗する。
「こら! 遅れると、斉川先生に怒られるよ! 」
律は布団を剥いで、倉木を揺する。
「わかったよ、あー眠い! 」
うーんと伸びをして、倉木は律の腕を引っ張った。
「うわっ! ちょ、翔さん? 」
律は倉木の上に覆い被さる形になった。そのまま、倉木は律を抱きしめ、
「ちょっと匂い嗅がせて…」
と、律の首に沈める。
「おい、翔さん! 起きなきゃ…ンッ! 」
離れようとした律に、キスをして遮る。
「ンッ…」
倉木にキスされて、律は動けなくなった。
(もう、最近全然してこないくせに! )
心の中で文句を言いながらも、嬉しくて律はキスに答える。
「ンッ…アッ…ちょ…翔さん? 」
倉木の手が、律のスエットの中に手を入れてきた。
(ヤバい! )
「こら、翔さん! もう起きてくれ! 」
ベリッと倉木を剥がし、律は起き上がる。
「もう、律の意地悪。もう少し触らせてくれよ」
(そんなんしてたら、我慢できず、翔さんを遅刻させてしまうわ! )
「ダメ! 早く飯食って、行きなよ! 俺も仕事だし」
「はいはい、律はお母さんみたいだね」
ようやく、倉木も起きて、獣医師会の準備を始めた。
(全く、人の気も知らないで! )
律は半立ちした、自分のを見てため息をついた。
(はぁー、抜いてる時間もないし。気を紛らわせて、仕事に行こ)
「じゃあ、律行ってくるね。帰りは打ち上げ参加するから、遅くなるけど、なるべく早く帰って来るよ」
倉木は律の頬にキスをして、玄関を出ていった。
「はぁー、朝から疲れた。俺も仕事行こ…」
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倉木は、待合室で斉川を見つけ声をかける。
「よっ、和希! 遅刻しなかったな? 」
ジロっと睨まれ、苦笑いする。
(はは、誕生日な上、獣医師会で雪君と離れるから、機嫌悪いや)
ブツブツ文句を言う斉川をなだめ、獣医師会に参加した。
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獣医師会が終わり、案の定、斉川は倉木を置いて、スタスタ帰って行った。
(ハイハイ、俺が参加したら、いんでしょ。全く損な役回りだ。俺だって律と久しぶりにイチャイチャしたいのに)
「本当、和希変わりましたよ? その話は俺がゆっくりしてあげますよ! さっ、打ち上げ行きましょ! 」
倉木は教授を促し、打ち上げ会場に向かう。
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「ただいまーって翔さんはまだか…」
真っ暗な部屋は静かだった。
「なんか、1人だと急に広く感じるよな…」
律は、倉木と付き合いだして、随分倉木にベッタリな事に気づいた。
「本当に翔さんは、俺を甘やかすから、それが自然になってるんだよな…俺も翔さんにリラックスして貰えるよう、掃除でもするか! 」
綺麗好きな倉木は、こまめに掃除をするので、律の出番は余りなかったが、最近忙しすぎて、部屋が少し散らかっていた。
律は、下に落ちてる物を拾い、掃除機をかけだした。
「さて、大分綺麗になったろ。これで明日の休みはゆっくり出来る。先に風呂でも入るか」
律は、サッとシャワーを浴び、ソファでくつろぐ事にした。
ゴロゴロしながら、のんびりテレビを見る。
「翔さんは、今頃打ち上げかな? あんまり酔わないで欲しいな…あの人酔うと、マジで可愛いもんな…」
律は倉木が、酔って甘えてきた、夜の事を思い出した。
『律~、もっとこっちに来てよ~』
いつも抱き締めてくる倉木が、律に抱きつき、キスのおねだりをしてきたのだ。
「イヤ、あれはマジで反則だよな~普段はカッコイイのに、あのギャップは誰でも好きになるよな? 」
律は、倉木との甘い夜を、思い出してニヤニヤした。
「あっ、ヤバい…立ってきた…朝抜く時間なかったからな…」
そう言いながら、律はソファに畳まれた、倉木のパジャマを見た。
「いや、さすがに変態かな? でも…」
律は、少し躊躇ったが、倉木のパジャマを手に取り、顔を埋めた。
「はぁー、翔さんの匂いだ…」
パジャマの匂いを嗅いだら、益々興奮してきた律は、
「…ごめん、翔さん…」
一言、倉木に謝り、パジャマの匂いを嗅ぎながら、自分のズボンに手を入れた。
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