32 / 50

第32話※

 現実を知ったからといって幻滅なんてしない。むしろ身体を重ねるほどお近付きになれて本当に良かった。  同級生はおろか家族でさえ、誰も知らない慧の側面を見れて、独占できて。  催眠がかかっているにしても、こんなにも自分を求めてもらって……これ以上の幸せがあるものか。 「あはぁっ♡ すごいっ♡ オチンポ擦れまくりっ♡ 声抑えられないっ♡」 「さすがに誰かに見つかるのは俺もまずいからさ。ちょっと静かにしてよ」 「でもでもぉっ……悠太のオチンポが気持ち良すぎるのも悪いんだよぉ♡ あんっ♡」 「じゃあこうしよっか」  慧の身体を押さえ付けられるような体勢でもなかったので、不可抗力ではあったけど、その代わり顔をこちらに向けさせるようにして、下手なりに唇をぶつけた。  や、やばい……俺、何気にこれ、ファーストキスだ……。  慧はどうだろう? 性的な経験をどんどん俺で染め上げていっている今だからこそ、彼も俺が初めてだったら嬉しい。 「んんーーっ♡ きしゅぅ♡ 悠太とキスしながらっ、誰かに見つかるかもしれないのにオマンコされるのいいよぉっ♡ もう軽くイッてる♡」  慧の口内を貪っている間も、複数人は小便に来たのだけど……どうにか強引に唇で塞ぎながら、見つからないことを祈りながら……腰を振り続けた。  皆が出て行った後、慧は自分以上に他人が去るまで快感を耐え忍んでいたのだ、目が虚ろで酸欠気味になっていた。 「悠太……もう一回、キス……して……」  とろんと眠そうな瞳と、深い吐息で同時に言われたりなんかしたら、首を縦に振らざるを得ない。  ねっとりと舌を絡め合い、互いに濃い唾液を交換し合い、ここぞとばかりに口内を舐り回した。  激しいセックスの最中のキスではなく、ただ口付けに集中するのもすごく心地良くて。  はあ、慧ってどうしてこんなにも愛しいんだろう。 「うぅっ……! 俺もイクッ……! 慧、イッて良いよね? ねっ?」 「あ゛ぁ゛ッ、そんなに動かしちゃらめ♡ 僕もうイッでる♡ イッでるがらぁっ♡」 「なら良いじゃん、何も考えられないくらいもっとイキなよ、ほら!」 「あひぃいいいいッ!!♡ いぐいぐ♡ ずっとイキっぱなし♡ 悠太のオチンポのことしか頭にないくらい馬鹿になってるよぉっ♡ んひぃっ、またクるぅううう♡」  背を弓なりに反らせ、肛肉をギュウギュウ締め付けながら肢体を痙攣させる慧。  吐精はしていなくて、言葉の通りに連続でドライイキしてるみたいだ。  ここまで身体の反応があると、とてもじゃないが嘘や演技とは思えない。  俺も射精の兆候を感じ取ると、ずるっと抜いてから慧の柔らかくてプリプリした尻肉の狭間に勃起チンポを挟んで、そのまま放尿するようにビュービュー心ゆくまで外出しした。  ディルドはそのまま置いて慧が隠れて持ち帰るなり、どこかに捨てるなりできるようにして、俺だけ先にクラスに戻る。  そして、授業が始まってから平然と催眠スイッチをオフにした。  担任が慧の不在を皆に聞いていたけど、慧はきっとまだ、トイレで状況整理ができていないか、俺とディルドを機にまたセックスまでしてしまった罪悪感と疲労が留まっているだろう。

ともだちにシェアしよう!