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第38話※
このまま良い思い出だったと、自分の中だけで誰にも言わず、慧とも進展せずにいるのが賢明かもしれない。
何よりも、慧の心身を苦しめているから。
勝手に慧に期待して、勝手に慧を良いようにこき使って。そんなの……慧の家庭の何ら変わらない。
だからって、はいさよならと捨てるのは難儀だ。マジで催眠かかるのを面白がったヤンキーとかに輪姦されたりするのはもっと御免だし。
ただ……慧が真剣に安らげる場所は、少なくとも家族とも、俺の傍でもないことは確か。
でも俺の言葉を聞いて、慧からはくうぅん、と子犬のように鼻から抜けるような声が漏れる。
慧の布地越しにビンビンにおっ勃った股間をそろりと足で撫でると、イラマしながらでも感じてるってわかるくらいに喘ぐ。
「んんぁっ!♡ 悠太……どうしたの……?」
「へ……?」
「なんだか……上の空、みたいだったから……。僕のこと考えてくれてたんなら、嬉しいなぁ……♡」
「う、うん。慧とこういうことしてんだから、違うこと考えるのは……それは、失礼だろ」
考え事をしているのを言い当てられて、内心ドキリとした。
男女でもたまに身体の関係から恋が始まるように、催眠状態の慧は俺のことをもはやセフレ以上……一方的にでも恋人みたいに想って、見ているのかもしれない。
なんという大逆転だ。それなら……もう。
こちらも集中しているのだと慧に伝わるように、チンポを震わせる。
そのたびに慧は甘美な笑みを浮かべ、愛おしそうに脈打つそれを舐めしゃぶり続ける。
「うッ、ぁ……慧……そろそろっ……出そう……。出すからっ……、どいて……!」
「ん〜〜ッ♡ んふっ、んむむむぅっ!♡♡」
射精宣言しているにも関わらず、いやいやと顔を振って、俺のズボンを握る手にも力を込めて、どうしても離してくれない慧。
こんな真似をされては、抑えられるものも抑えられない。
最後にものすごいバキュームをされて、俺は正に精嚢から精管を通って精子が慧の口内に流れ込んでいくのを、どこか俯瞰して見ていることしかできなかった。
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