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第12話 金曜日

ついに金曜日が来てしまった。 散々迷った。 行くかどうか。 ただ、もしハルマが俺を好きなら、ここで逃げるのはダメだろうと思った。 ハルマはこのときのために、自分でもいじっているのだ。 辞めたかったなら、もっと早く言うべきで、今さら言えやしない。 学校から一緒にハルマ宅に行く。 お互い口数は少ない。 「シャワー…浴びてからがいいよね?」 部屋に入ると、ハルマが聞いてくる。 「そうだね……。」 なんか緊張してきた。 「俺、先に入ってくるから。」 と、ハルマが言って部屋を出て行った。 自然とため息が出る。 この部屋でハルマは一人でしてたのかと思うと、複雑な気持ちだった。 『練習』なら、あのハルマが一人でエッチなことをしてると思うと興奮したと思う。 だか、もしハルマが俺を好きなら今日は『本番』だ。 どうしよう、やる前に確認するか。 でもそこで好きと言われたら……。 俺は、ハルマが好きなんだろうか。 好きは好きだが、恋人同士のような甘い好きとはちょっと違う。 え?じゃあセフレ? 練習……だったから、それが一番近いだろう。 あっちもセフレと思ってるなら良かったけど。 ハッキリさせたくない気持ちが勝り、流れに任せることにした。 ハルマが戻ってきた。 上はロンT、下はジャージだ。 「なんか、いい匂いがする……。」 シャンプーや、ボディソープとも違う香りだ。 「前に、リョウスケが好きだって言ってたやつ。覚えてる?」 ちょっと前、彼女ほしい願望がピークのとき、香水を見に行ったことがある。 結局何も買わなかったが、女の子用の方で好みのものが見つかった。 ハルマが着けているのはソレだ。 「……よく覚えてたね……。」 ハルマはちょっとほほえんだが、すぐ顔を背けた。 確信した。 ハルマは、俺のことが好きだ。 「シャワー行ってくる。」 俺は覚悟を決めた。

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