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第43話 タツオミの興味

俺には一つの仮説があった。 タツオミは、まだ男を知らない。 変に憧れがあるだけで、実際ヤッたら男の体なんて良くなかったと思うのではないか、と。 さらに、さっきのラブラブには萌えない、という事実。 今回は、太陽と北風的に、虎穴に入らずんば虎子を得ず的に臨んでみようと思っていた。 タツオミが俺の乳首を舐める。 男の乳首の何がいいんだろう。 ただ、今は下半身も出来上がって来ているので、確かに乳首は敏感になっている。 「んあっ……!」 声が出て、よがってしまう。 だが、タツオミががっちり押さえ込んで逃げられない。 感じる乳首を執拗に攻められて悶えた。 「ああっ!もう!いいだろ!」 ハルマだったら涙目でぐったりするところを、俺はまたついつい抵抗してしまった。 「乳首一つでこんなに感じるなんて、人間って面白いね。」 「……そんな、冷静に言われても……。」 俺は息を整えながら言った。 「お尻って、すぐにはできないの?」 「できないよ。それは、入れられる側の尊い努力が必要なの。」 「残念だな……。」 「……まさか、俺に入れる気?」 「ここまで来たら、いいでしょ。」 「よくないよ。よくない。よくない。」 尻まで行ったら、男の体幻滅作戦が失敗する気がする。 タツオミはパンツの中に手を入れて、しごき始めた。 「……お、男の射精見て、楽しい……?」 シュールな質問をした。 「……リョウスケの……他人に見せてないはしたない格好がみたいかな。」 タツオミの手が本気を出す。 「んあっ……あ……。」 俺はタツオミの言う通り、はしたない声を漏らしながらイッた。 「……なんか、もう気持ちいいとか、恥ずかしいとかじゃなくて、病院に来てるみたいだよ……。」 俺はふらふらしながら、ティッシュを手に取った。 「俺は、リョウスケのエッチな顔が見れたから良かったけど。」 「……変態だな。」 「……お尻って、気持ちいいの?」 「興味を持つなよ……。勉強に支障が出るよ。それか、彼女作っちゃいなよ。絶対、そっちの方が早いから。」 本当にそうだ。 俺のよがる姿のどこに需要があるのか。 タツオミを無駄に目覚めさせてしまった……。 でも、タツオミなら大丈夫だろう。 性欲に負けてしまう奴じゃない。 そこの人間の土台が違うことはわかる。 問題は、俺だ。 頑張って勉強しよう。 ランニング、再開しよう。

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