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第51話 ラブホで遊ぶ

服を脱いで、ベッドに入った。 ハルマを抱きしめて軽くキスをする。 ハルマの汗のにおいがする。 ハルマは俺の胸元に顔をうずめた。 このまま眠ってしまいたい。 ハルマが辛い思いをしたことが、夢であってくれたらいいのに……。 シャワーの音が聞こえてきた。 ソファを見ると、先輩はいない。 こんな状況でも、黙って帰るのは申し訳ないと思う自分がいて情けない。 ドアを開けられた時の、学校では見られない、先輩のワルイ男の姿を思い出した。 元々、先輩の剣道着姿は男の俺から見てもカッコいい。 その下にあの筋肉だ。 今、シャワーを浴びてるってことは、あの割れた腹筋の続きがあって……。 それでこの可愛いハルマを突いたわけでしょ? しかも、電話中にって……先輩、ちょっとそれ、もう、なんていうか……。 「リョウスケ……。」 「え?何?」 「なんで……大きくなってるの……?」 「あぁ……いや、ハルマと、裸で抱き合えば、そりゃ、なるよ。好きなんだもん……。」 ハルマは納得してない顔だ。 「本当に……好きだよ。今日は……失敗したけど……。」 ハルマはため息をついて、また俺の胸元に顔をうずめた。 ハルマの頭をなでる。 ごめん、変なこと考えて。 先輩が風呂場から出てきた。 腰にタオルを巻いている。 「終わった?」 「え……終わったかどうかは……ちょっとわかんない……。」 先輩は、ベッドに近づいてきて、俺のそばに腰掛けた。 「リョウスケも、遊んでく?」 「え?遊ぶ……って、何を?」 「ラブホに来て、やることなんて一択じゃないの?」 「……誰と?どうやって?」 「ハルマも加われたらいいけど、ハルマはその気じゃないだろうから、僕とリョウスケで。」 「ええ?!え?なんで?」 「リョウスケはさ、人に合わせて、どっちもイケるタイプだよ。ハルマがバリネコだから、リョウスケがタチをやってるだけで、僕が相手ならリョウスケはネコだね。」 ネコ……ってたぶん、抱かれる側のことなんだろう。 「せっかくだから、今日、開発してあげるよ。」 そんな……今日、勉強教えてあげるよ、みたいな軽さで言うこと……? 「……リョウスケが、他の人とエッチなことをするのは嫌なんですけど……。」 ハルマが言った。 普通そうだ。 「ハルマ、リョウスケは”変態”だ。普通、体を狙われている恋人をデートにはよこさないよ。ハルマがなんて言われて僕のところに来たのは知らないけど、リョウスケは確実に普通じゃない。」 間男に変態扱いされた。 どういう構図? 「ハルマも、リョウスケと付き合っていきたいなら、リョウスケの変態を理解しないと。お互いまともだと思ってると、またこんな目に遭うよ。」 なぜ。 なぜ間男から説教を受けるのか。 でも、不思議とカシワギ先輩が正しく聞こえる。 「まずはリョウスケ自身が自分を変態だと自覚しないと、ハルマが被害に遭うんだから。」 胸が痛んだ。

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