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第60話 俺のお尻問題
旅費節約のためにビジネスホテルのダブルにした。
部屋は狭いが、寝るだけだ。
正確には、ベッドの上で過ごすだけだから、大丈夫。
修学旅行も部屋は別々だったから、一晩一緒に過ごすのは付き合ってから初めてだ。
ハルマが先にお風呂に入っている。
待っている時間がちょっとそわそわする。
タツオミも、童貞卒業の時は緊張してただろう。
本当は超絶詳しく聞きたかったが、女の子のためにそういう話は絶対に言わない、それがタツオミだ。
俺は久々に”女の子の”お気に入り画像やら漫画を見た。
と、同時にこれらをカシワギ先輩に見られたというトラウマが蘇って、スマホを閉じた。
本当に濃い一年だった。
泣ける、色んな意味で。
ハルマが出てきたので、入れ違いに入ろうとする。
「あのさ……。」
「何?」
「リョウスケも……お尻に興味……ある?」
「え……。」
しばらく忘れていた俺のお尻問題。
「……夜、時間あるから……一応俺が使ってたのは持って来たんだけど……。興味あるなら、使ってみる?」
ハルマは恥ずかしそうに言う。
「…その…開発できた場合、ハルマが入れてくれるの?」
「……リョウスケがいいなら……。」
想像できない……。
けど、ハルマが言い出したってことは……
最近マンネリ気味だったかなぁ……。
ちょっとショック。
「うん、わかった、やる。なんとなく、準備の仕方はわかるから、お風呂からあがったら、貸してね。」
「うん……。」
反省しながら、シャワーを浴びた。
――――――――――――
先輩から教わったことを思い出しながら、とりあえずお風呂場で一人でしてみる。
なかなかうまくいかない。
ハルマにやってもらえばいいんだけど、恥ずかしい。
いや、普段自分がやってるくせに、だ。
「ハルマ……お願いしていいかな……。」
「うん、じゃあ、そこに寝て……。」
ハルマが色々やってくれる。
タツオミの時も思ったけど、なんか病院みたいだ。
まあ、羞恥心がない分、こっちも言うことを聞きやすいけど……。
「……今、指一本入ってる感じ。」
「そうなんだ。わかるような、分かんないような。」
ハルマが指を動かす。
「あっ!」
思わず叫ぶ。
普段あんだけハルマにやっといて、こんな初めて感、なんなんだ。
「あ…あのさ、なんでハルマは俺のお尻を気にしたの……?」
「……うん、最近、なんか射精しなくても気持ちいいんだよね……。リョウスケにも、感じてほしい……気がして。」
それ……ナカイキとか、メスイキってやつ……?
都市伝説じゃないんだ……。
ハルマが指を出し入れする。
ゆっくりだが、クチャクチャと音もする。
「恥ずかしい……。」
「もっと入るようになったら、気持ちよくなるよ。」
ハルマのセリフが男らしかった。
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