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第70話 寝室
「ふぁっ!あっ…!」
突然だったが、先輩は、自分が尻まで考えた相手だ。
キスはすぐに受け入れてしまった。
相変わらずエロいキスで、体が痺れる。
「…今日は抵抗しないんだね。ハルマとしてないの?」
「し、してはいますけど…。」
先輩のがさ、特別なんだよ…。
「ハルマに飽きたなら、僕に譲ってね。」
「譲りませんよ!猫じゃあるまいし!」
先輩、彼氏もいるのに、まだハルマを諦めてないんだ!
でも…まあ、ヒビキさんはハルマとはタイプが違うから、両方いてもいいよねぇ…。
なんて、思ってしまう。
「プレイに飽きるとこはあるよ。その顔、欲求不満なんでしょ?」
先輩が目を細めた。
その通りなんですけど、それを認めたらもう、きっと、もう、だ。
「ハ、ハルマともう少し、楽しむ方法かあればな!っては思ってます!」
そう!それだ!
うっかり先輩にしてもらう願望まで行っていたが、ハルマとより楽しめればそれで良いのだ。
危なかった。
「なんだ、残念。期待してくれるなら、やってあげようと思ったのに。」
先輩が本当に残念そうな顔をする。
あれ…なんか…やっぱり素直に言うのが良かったかな…。
ちょっと後悔している自分のスケベさか怖い。
「おもちゃ使ったら?」
「おもちゃ…ですか?」
「見せてあげるよ。ちょっとこっち来て。」
そう言われて、寝室について行った。
先輩はクローゼットの奥から、箱を引き出し、一つ取り出して見せてくれた。
「可愛いハルマをより可愛いハルマにできると思うよ。ちょっと凶暴だけど。」
「…どうやって使うんですか?」
「じゃあ、そこのベッドに寝て。」
「…え?」
「使ってみればわかるよ。」
「いやいやいや!いきなり!それは!俺には無理です!」
「自分か経験無かったら、相手がどんな状況か想像できないじゃん。やる側の予習は大事だよ。」
先輩が不敵な笑みで迫ってくる。
「や、あの!もう少し、ライトなのはないですかね。」
「そんなの買っても、どうせすぐ飽きちゃうよ。だったら確実なのを一つ用意した方がいいって。」
そうかもしれないし、確かに実験は大切だけど、アレで先輩にイカされるなんて怖い。
「さ、参考に見せてくれてありがとうございました。もう十分です。」
「せっかくキスまでしたんだし、ちょっとくらい遊ぼうよ。」
先輩が俺の肩に手をかけた。
その時、寝室のドアが開いた。
「ヒビキっ…!もう帰ってきたの?!」
俺の後ろに、ヒビキさんが立っていた。
「うん。早めに終わったんだ。」
ヒビキさんは、顔色一つ変えずにそこにいる。
すごいメンタルだ。
よく見ると、先輩はおもちゃを持っていた手を後ろにして隠している。
ヒビキさんとはそういう上下関係なんだ。
「高校生に刺激が強いことをしちゃダメだよ。」
「わかってるよ、冗談だから!ね、リョウスケ!」
「は、はい!」
今までに比べれば、確かにそこまで強烈ではない。
たぶん、冗談ではなかったと思うけど。
ヒビキさんは先輩に近づいて、後ろ手にした手から、おもちゃを取り上げた。
「冗談にしては、結構なものを手にしてるよね。」
「たまたま、手に取ったのが、それだったんだ。」
あの先輩が追い詰められているなんて、新鮮だった。
これが弁護士の力??
すると、ヒビキさんは突然先輩の体を持ち上げて、ベッドに押し倒し、馬乗りになった。
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