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新たな人生と将来の約束 6

「郁美が死ぬなら俺も一緒に飛び降りるよ。離れるなんて嫌だから」 「ダメ!そんなの……」 「だったら早まらないでね。君が逝くなら僕も着いていく。一人にしないでよ」 「僕のこと一人にしない?捨てない?」  自然と涙が溢れてきた。今、怜央と居て幸せな分、別れが来るんじゃないかって怖くてたまらない。 「愛してる人を捨てるわけないよ」 「ごめんなさい!僕、怜央が他に愛してる人がいるんだと思って……」 「いいよ。でもこれだけは約束してほしい。死のうとしないで不安ならちゃんと言って、話せば分かり合えるのに」 「はい。ごめんなさい」 「今までちゃんとした恋愛してこなかったのはわかったよ。でも僕の気持ちまで疑われたのは少し悲しい」  向き合って抱き合い、悲痛で歪む怜央の顔を初めて見た。彼にこんな顔をさせてしまって胸が痛む。  勝手に命を絶とうとして、彼の言葉を疑ってしまった。  謝罪の気持ちを込めて、自分から怜央にキスする。 「そんなんじゃ足りないよ。ちゃんとしたのさせてね」  唇を奪われて舌が割って入ってくる。侵入してきた熱く濡れた舌先で、上顎を擽られると体がビクビクと震える。歯列をなぞられて舌を吸われ濃厚なキスに翻弄されて、されるがままになるしかなかった。 「ん……」  チュルチュク。いやらしい音が耳を犯し、体が熱く疼く。後ろが濡れてきたのか下着の中が気持ち悪い。  これ以上は嫌だと思うのに怜央の舌に絡め取られると痺れるような快楽が襲ってくる。 「ん……んふ、ん」  体を這うように手で撫でられ、いよいよ立っていられ無くなった。  中庭で誰が見ているかもわからないのに夢中でキスに応じ続けた。 「ん、はぁ……怜央」 「ごめん。我慢できなくて……」 「こんなキス初めてで体が変です」 「僕とのキスは気持ちよかった?」  恥ずかしくて顔が熱くなる。返事の代わりに小さく頷いて縋るように抱きついた。 「部屋に戻ろう。術後だから何があるかわからないからさ」 「はい」  手を絡められ繋いだままで屋内へ入った。研究員達とすれ違うのもお構いなしに、寧ろ手を見せつけるようにされている。 「怜央。恥ずかしい」 「不安ならここの職員全員に見せつければいい。僕が誰のもので郁美が誰のものか分かるように」  チラチラと見られている視線を感じながら、個室まで戻ってきた。  部屋に入ってすぐ、怜央に背中から抱きしめられる。 「あの……怜央。下着の替えはありますか」 「うん。サイズとタイプは?」 「Mでボクサータイプがいいんですけど」  怜央からのキスで腰が抜けた挙句、下着まで濡らしてしまう程感じてしまった。恥ずかしかったけどこのままの状態でいる方が気持ち悪い。  すぐ戻るから待っててと言って怜央が出て行った。  椅子やベッドに座らずに立ったまま待つことにした。  暫くしてビニール袋片手に怜央が戻ってきた。手渡された袋を開くと、黒いボクサーパンツがジッパー付きのパッケージに入っていた。 「これで大丈夫かな」 「はい。ありがとうございます。濡らしてしまって……」 「僕とのキスが原因だよね」  正解を言われて恥ずかしくなり頷き返した。今までキスでこんな風になったことはない。 「着替えますから」 「出て行った方がいい?これから一緒に住むんだけど」 「は、恥ずかしいから」 「僕のせいでもあるんだし手伝わせて」  恥ずかしい申し出に、首を横に振り拒否しようとしたが遅かった。怜央の指がズボンのウエスト部分を持つとそのまま下着ごと下ろされてしまった。 「っ……あ、や……ダメ見ないで」 「凄いね。びしょびしょだ」  下ろされた下着から白濁とした液がねっとりと糸を引いていて、布を汚している。恥ずかしくて瞳が潤む。  見られたけど何事もなく怜央の手で新しい下着を穿かされた。 「泣かないでよ。キスで感じてくれて嬉しいのに」 「はしたないって思いませんか。嫌いにならない?」 「更に好きになることはあっても嫌いならないし、はしたなくないよ。僕達相性がいいんだと思う」  ズボンを履き元通り着替えて、気持ち悪さは解消された。でも着替えを手伝われるとは思っていなくて、まだ心臓がうるさい。    着替えている間、怜央の目には熱が孕んでいるような気がした。彼にもちゃんと性欲があるのだと確認できた。

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