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*スイートな夜 1
突然ホテル廊下の床にゆっくり降ろされたと思ったら、部屋の鍵を開けた怜央が、扉を押さえてキスをしてきた。
廊下に人が通るのもお構い無しに、濃厚なキスを施される。
「んん、ふぅ、ん……はぁう」
キスをされたまま室内に連れ込まれ、ドスンとベッドに降ろされた。スプリングが思った以上に効いていて唇が自然と離れる。
「怜央?」
「あの男に触れられたよね」
熱を帯びた視線を向けられて、手が体の輪郭をなぞるように這い回る。
「僕とあの男に撫でられるのとどっちが感じる?それとも他の男がいいかな」
「んん……そんなの居ません。貴方だけ」
「本当に僕だけ?Ωなら居るんじゃない。はしたなくて、どこでも腰を振るビッチだから……」
怜央が傷ついたような顔で僕を見ている。酷いことを言ったのは彼なのに。
「居ません。僕には……」
「じゃあ証明してよ。今すぐ服を脱いで裸になって」
「え?」
「できない?僕には見せてもくれないのかな。それとも別の男と寝た痕跡でも残ってるの?」
今の怜央は全く優しくない。口調こそ荒々しく無いが、酷いことをばかりで言ってくる。でも彼をこうさせたのは僕だ。
恥ずかしいけど素直に蝶ネクタイを外して、1つずつボタンを外していく。
ベルトを緩めてズボンをずらして、下着に手をかけて脱いだ。肩にかかったシャツを外す。生まれたままの姿で怜央と対峙する。
「怜央。ごめんなさい……」
「僕をその気にして勃たせて。他の男にしてるみたいに出来るでしょう。そのかわり僕も他の女や男を抱く時みたいに郁美を扱うよ」
「嫌……触らないで!知らない……怖い」
聞いたこともないような冷めた声が怖かった。ガクガクと体が震えて膝から崩れ落ち床にへたり込んだ。
冷めた目で怜央が見下ろし、ズボンのチャックを下ろして、ペニスを取り出した。
「抱いてほしいなら咥えろよ。舐めて勃たせたら入れてやる」
「っひ……や、やだ……」
「嫌?すぐ裸になったんだから慣れてるんでしょう」
「慣れてません。ごめんなさい。もう許して……」
今の怜央は万羽を彷彿とさせる。彼との行為は一切愛がなく苦しくて痛かった。彼も僕をそう扱う気がして怖い。
「酷くしてください。それで貴方が許してくれるなら、僕は絞め殺されたって良いです」
体というものは自然と覚えているもので、ご奉仕するように怜央のペニスを握って舌先で舐めた。そうしているだけで涙が自然と溢れる。
泣いたら万羽は頬を叩き「泣くな!うるせぇ」と言って蹴飛ばした。だから静かに涙を流していたんだ。
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