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第8話 涼Side-2

 俺の弟を停学にした奴を許さない。悪いのは博信でなくハエのようなやつらだ。生徒だけでなく教師ですら許さない。そんな俺を見て初めて父親が笑顔になった。 「お前はやはりオレの子だな」と。  そこからは父から本人だけなく家族もろとも壊す方法を教わった。そして……ひととおり、カタをつけるとふいに怖くなった。  こんな俺が博信の傍にいてもいいのだろうか? と。  このまま弟に執着していったら俺はきっと……。  そうなる前に博信の前から逃げた。距離を置けばいい兄と弟になれると思って。  だけどあっという間にお前は俺に追いついてきた。しかも俺はそれを心のどこかで待ち望んでいたようだ。博信の大学合格の知らせを受け取った時に俺の身体は歓喜で打ち震えた。  お前がまだ俺に興味を持っていてくれたことが嬉しくって仕方がなかった。 「……ごめんよ。追っかけてきちゃった」  なんて可愛いんだろう。ああこれが感情というものか。溢れ出る想いが抑えきれない。できるだけ平静を装って頭を撫でてやると抱きつかれ鼓動が早まった。    もぉだめだ。俺は観念した。このぬくもりを手放すことは出来ない。  後はどうすれば一番都合よく俺の手に堕ちて来てくれるかだった。  普段は品行方正な兄の姿で、時折、隙を見せては手を出させやすくした。  しかしいつまでたっても最後の一線を越えられない。  卒業が迫ったある日、同窓会のお知らせが届いた。最初は行く気がなかったが、ある人物も顔を出すと聞いて参加することにした。  そいつは博信を停学に導いた主犯だった。すでに家庭は崩壊し俺に対する恨みは募っていることだろう。俺は当日わざとそいつの前で引っ越し先の住所を教え、流し目でほほ笑んだ。  案の定、そいつはやってきて俺をさらった。手足を縛られたのには閉口したが、おおよそは予想どおりだった。  後はなんてことはない。勝手に俺の身体に溺れただけだ。気持ちの悪いやつめ。  途中から関係性は逆転していた。俺の事を崇めるようになったそいつは俺の奴隷になっていたのだ。

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