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5.初めてのお泊り⑤

「お、おまえ、その、男が好きなの?」 流石に誉の気持ちを自覚したカイは、しどろもどろになりながら尋ねる。 一方で誉は、やはりまた何てことないように返すのだ。 「あんまりこだわりないかなあ」 「なんだそれ…」 「そのままの意味だよ、どっちでもいいよ」 「とか言って。男となんか付き合ったことないんだろ、そのつもりになってるだけだ。 よくいるんだよ、そういうの。 あれだ、厨ニ病ってやつだ」 「突然辛辣にディスってくるね。 男とも付き合ったことあるよ。 というか、初めての恋人は男だったし。 まあ、確かに最近は女子が続いてるけどね」 「!」 その次の瞬間、泡立てたボディソープでカイの背中をゆっくり撫でる。カイの背筋がひゅんと伸び、逃げようとすると巧妙に脇から手を滑り込ませて抑え込んだ。 「ちょ…体は自分で洗うよ」 「駄目、カイは肌が弱い癖に雑だから」 「そんなこと言ったって…」 誉のゴツゴツした指が腹のあたりを這っているのがくすぐったいし、さっきの"初めての恋人"の話が気になるし、そもそも誉に体を洗われているという事実も恥ずかしくてたまらないし。 アタフタしているカイに、誉は目を細める。 「聞きたい?俺の初めての彼氏の話」 「それは…」 そしてカイが話題に気を取られている隙をついて、手を下半身に滑り込ませる。 大事なところをゆっくり撫でられて、カイは退く。が、背中を誉の体に強く押し付けることになり、ダイレクトにそれを背中で感じたことに驚いてまた前のめりになった。 「狭いんだから、暴れないの」 「そこは流石に自分で、さわんな…、て!」 「ほら、動くと力加減間違えちゃうよ」 「…ッ!」 するとそこを意地悪にぎゅっと握られて、腹の下がひゅんとなってしまう。 「いやだ……」 「いい子にしてたらすぐ終わるよ」 誉は涙声でふるふるとウサギのように震え始めた カイを優しく後ろから抱き直し、ゆっくりとそこを撫でてやる。 その手が上下するたびに、下腹に力が入ってしまう。 甘く痺れるような刺激にカイの思考が止まる、ともかく耳が熱くてたまらない。 「やだ、誉、やだ」 誉の手首を掴んでいた手からは力が抜ける。 頭がふわふわし始めた…そのタイミングで、 「はい、おしまい。よく頑張りました」 と、誉は突然そこから手を離した。 「ん…」 「カイ?どうしたの?」 余韻でぼんやりしているカイにわざとそう問う。 するとカイはハッとしたのか、なんでもないと小さな声で返してきた。 そしてしっかり勃ったそこを恥ずかしそうに隠している。 この初心さがたまらないと誉は思った。 まだ体も心も真っ白なカイだ。 そしてそれが少しずつ自分の思うように色付いていく様は、誉の心を強烈に満たすのだ。 カイはバスタブの中から誉を見て言った。 「いや、無理だ」 「大丈夫でしょ」 同じ様に頭と体を洗い終えた誉が一緒にバスタブに入ろうとしているのだが、狭すぎてそんな余裕があるようには思えない。 「カイ小さいし」 「一言余計だな。 いいよ、俺出るよ」 「それは駄目、絶対カイと一緒に入る」 「駄々っ子か」 誉が無理矢理足を入れてくるので、仕方なくカイ は体をできるだけ端に寄った。 が、誉は両足をバスタブに入れるといきなりカイを抱き上げた。 「わっ、こら、あぶなっ」 バシャン、と大きな水音が響く。 「ちょっ」 「よいしょ」 焦るカイに対し、誉は冷静だ。 素早く態勢を変えて腰を下ろし、カイを後ろから抱く形で巧妙にバスタブに二人の身体を収めた。 「ほら、大丈夫だったでしょ」 「大丈夫…じゃ、ねえし」 いや、確かにバスタブに入れたのは"大丈夫"だが、背中と言うか尻のあたりは全然"大丈夫"じゃない。 なんか、当たってんだけど…! 「あー、気持ちいいねえ、カイ」 しかし当の誉は全然気にする様子もなく、カイの頭に顎を乗せてぬくぬくと風呂を楽しんでいる。 一方カイは尻の下にある誉の雄が気になって仕方なく、居心地が悪そうにモゾモゾと動く。 "なんか、固くなってきたんだけど…" そうすればするほど、尻に当たるそれがどんどん存在感を増してきて、更に気になって仕方ない。 「君ねえ」 すると誉が呆れた様に言った。 「誘ってる?」 「は?何が? ええと、なんか、ほら、当ってんのが気になって…その」 頭上から、深いため息が聞こえた。 誉は濡れた髪をかき上げてから、カイを改めて後ろから抱き直す。 「そりゃ、俺だって刺激されれば勃つよ」 「は?」 「さっきからね、君が柔らかいお尻で擦ってくるからさ」 「こ、擦ってねえし!!! もう、バカ!変態!出る!」 「イテテ、急に暴れない、駄目、ダーメ。 そう言う君だって、さっきから勃ちっぱなしなんだけど、気づいてないの?」 誉はそう言うと、カイのピンク色なペニスに触れる。 「えっ?あ、ちょっ、握…っ」 「ほら、君よりよっぽど素直だ。 こうするとすぐ固くなる」 「ん、やだ、やめ…」 さっき洗ってもらった時のように優しく撫でられる。ずくんと甘い刺激が腰のあたりを駆け巡り、カイは水音を立てて再び誉の体の上に落ちた。 「あ、あ、やだ、誉、いやだ」 「駄目、悪いウサギさんにお仕置き」 「……ッ!」 今度は輪にした親指と人差指で先端を集中して擦られる。カイは声も出ない。 ずるりと落ちかけた体を、誉の腕が支える。 「…や…」 腰がビクビク震えている。 動くたびに固くて大きい誉のペニスが尻の割れ目を撫でる。そうすると今度はお腹の下が疼いて、もうどうしたらいいか分からない。 「アッ」 と、出た声があまりにもはしたなく、思わずカイは下唇を噛みしめた。 「コラコラ」 誉はカイの唇を割り、人差し指を挿し込んでそれを阻止した。 「悪い子だ、怪我するよ」 その指先でカイの舌をなぞりながら、誉は耳元で低く囁やく。 飲み込みきれなくなった唾液が顎を伝う。 そしてカイは苦しげにふうふうと息を吐き、イヤイヤと首を横に振る。 それなのに誉は止めてはくれず、ペニスを擦っていた手を睾丸の方に伸ばしてやわやわと揉み始める。 さっきとはまた異なる刺激を、カイは背中を曲げてくの字のようになって耐える。 「うーん、思った通り溜ってるねえ。 ちゃんと処理してる?」 「ン゙、ンンン!」 「あ、そうか、喋れないね」 そこでようやく誉は一切の刺激を止めてカイの口を開放した。 カイはぷはっと息を吐き、咽せる。 「おまっ、も…あ、ンン!」 それが落ち着いて、悪態をつこうとした瞬間、また誉は睾丸と、そして片手が空いたのをいいことにペニスを一気に攻め立て始めた。 そして改めて問うのだ。 「カイくん、これ、ちゃんと処理してますか?」 「ひぁ、し、してる、してるよ」 「本当に?そうとは思えないけど」 「してる、いつもかあさん、が」 その瞬間、ピタとまた誉の手が止まった。 「ちょっと待って、今、何て?」 「へ?ちゃんと、してるって…」 「その後」 「母さんが…」 「続けて」 「えっ」 明らかに先ほどと態度が急変した誉に萎縮したカイは、素直に答えてしまう 「母さんが、いつも、する」 瞬間、頭の上から物凄い怒気を感じる。 そして誉の沈黙にも耐えられず、聞かれてもいないのに更に正直に喋ってしまう。 「ええと、精子は膿みたいなものだから、出さないと腐るんだって。 だから処理しないといけないんだけど、それは医療行為だから素人はしちゃいけなくて…、ほら、母さんは元々ナースだから、その、それが出来て………」 しかしそれは余計に誉の怒りを煽ったようだ。 自分を抱く彼の腕は僅かにだが震え、その力が入った筋がピクピクと動いている。 誉は基本的に温厚だ。 怒っているところなんて見たことがない。 それがこんなに怒るなんて、もしかして自分は余程おかしなことを言ってしまったのだろうか。 そうカイが不安になった所で、ふうっと深いため息が上から聞こえた。 と同時に、改めて両手でぎゅうと強く抱きしめられる。 「カイ」 ようやく誉が発してくれたその声は、意外にも穏やかだった。 「それ、お母さんがそう言ったの?」 「う、うん…」 「そっか」 誉はそこからまた少し黙った。 先程までの怒りは感じられないものの、やはりいつもとは様子が違う。 カイはどうしたら良いかわからず、ただ誉になすがままにされるしかなかった。

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