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28.週末デート③

それは30分程前に遡る。 仲睦まじく入浴後、誉はカイの体を拭いてバスローブを着せてやり、先にリビングに出した。 「誉、のどかわいたー」 「冷蔵庫にお茶があるから飲んでいいよ」 「わかった」 これが間違いだった。 風呂の後始末をし、洗濯機にスイッチを入れて戻ってきた誉が目にしたのは、缶入りのウーロンハイを勢いよく飲んでいるカイの姿だった。 先日の研究室の飲み会で余ったものを皆で山分けで持ち帰ったものだった。 お酒と大きく書いてあるから普通間違えないだろうとか、不器用なくせにこういうときだけどうして器用に缶が開けられたのだとか、いつも飲み物はもっとちびちびと飲んでるくせに何故今に限って一気飲みなのだとか言いたいことを抑えて取り上げたが、時すでに遅し。 殆ど中味は空だった。 それから30分経った今、カイは真っ赤な顔をして誉の横に転がっている。 「ぐるぐるする」 「だろうね」 アルコールが回り始めたのだ。 彼は基礎疾患を多く抱えているので、心配だ。 小まめに脈と胸の音を確認しているが、今のところは大丈夫そうだ。 入浴前に薬を飲ませておいて本当によかったと誉はため息を付く。 「ほら、お水飲もうね」 「もういらないよ」 「一口でいいから飲むよ」 「んん…」 カイはだるそうに起き上がりストローでそれを吸う。 「トイレ…」 「大丈夫?ついていこうか?」 「だいじょぶ」 そうは言うものの、ヨロヨロしていて危なっかしい。後ろからそっとついて行ってやると、 「ひとりでへいき!」 と、流石に中には一人で入って行った。 正直一緒に入って見てみたかった誉だ。 カイのことが好き過ぎてその全部を見たいのだが、拗ねて全て拒絶されても困るので、匙加減が難しい。 「……まってたのかよ」 「うん、音を聞いてた」 「最低!」 カイは顔を真っ赤にして怒りながらベッドに戻ろうとするがやはり途中でよろけているので、誉は手を取ってやった。 いよいよ本格的にアルコールが脳に回ったのか、カイはとろんとした顔をしている。 「大丈夫?」 「んー」 その鼻先を誉の胸に押し当てて、フンフンと匂いをかぐとふにゃりと笑った。 かと思うと、徐ろに体を起こす。 「どうしたの?お手洗い?」 「ん…」 するとカイは一度正座をした後、座った目で誉を見た。そしてこちらに這って来たかと思うと、いきなり馬乗りになる。 流石の誉も予想外なその行動に驚いた。 一方でカイはそのまま 「キス…」 と、珍しく積極的に顔を近づけてくる。 その様子にちょっとした出来心で、誉はその唇をついと人差し指で抑え、 「キスしたいの?」 と、改めて尋ねてみる。 カイはそれが気に入らなかったのか、そのままふくんと膨れた。だから誉はその頬を撫でながら続ける。 「ちゃんと言って」 「…キスしたい」 誉が指を離すと、柔らかい唇が降りてくる。 拙くちゅっと吸われたかと思うと、今度はさな舌がチロチロと割れ目を舐める。 しかし一向に誉が応えてくれないので、カイはとうとう焦れた様に顔を上げて怒る。 「恋人のキスすんの!」 「そうならそう言ってくれないと」 「いつも勝手にするじゃんか!」 酔っているせいかいつもより気持ちが堪えられなくなっている様子で、カイは顔を真っ赤にして怒っている。とても可愛いが、少し意地悪をし過ぎたか。 誉が苦笑いしながら頬を再び撫でてその顔を引き寄せようとすると、フンと横を向いて拗ねる。 「いい、誉はオレとしたくないんだ」 「したいよ、おいで」 「もういい」 「来ないとしてあげないよ」 「……っ」 そう言われてやっとカイは膨れながらもこちらを向いた。そして誉が顔を寄せると、直ぐに応えてくる。 唇を合わせ舐めてやると、直ぐに小さな舌を絡めてくる。余程欲しかったのか、自分から己の口内に誉を引き寄せようとさえする。 お望み通り大きな舌で口内を強めに貪ると、カイの腰がふるふると揺れた。 「ふは…」 誉の腹の上でゆらゆらと腰を揺らしながら、カイがキスで感じている。 「気持ちいい?」 「きもちい」 「キス好き?」 「すき…だけど、変になる…」 カイはそう言うと、自分の股間を誉に触らせた。勃ち上がって固くなっている。 誉に触れられて興奮したのか、はっはと呼吸を早めながら、カイは口を手で覆った。 腰がまたゆるゆると動き始める。 「初めてキスした日の夜、変な夢見た」 「変な夢?」 「そう……。誉とこうやってキスする夢だよ! で、起きたらもらしてて、おれ、びっくりして…。瀬戸が、オレくらいの子はよくあるって言ってたけど、今までそんなことなかった、から。絶対キスしたせいだとおも」 カイはそこまで言うと、頭を誉の胸に押し付けた。そして、 「うう、あたまぐるぐるする…」 と、低い声で続ける。 完全に酔いが回っている。 いくらまだ15歳だとは言え、カイは酒に弱い体質のようだ。そういえば航も言うほど強くはない。母親はザルの様に飲むが、兄弟にその血は受け継がれなかったのだろうか。 とはいえ、大学に入れば酒の席に呼ばれることもあるだう。 しっかり教育しておかなければと誉は心に決める。 こんなに可愛い恋人の姿を、他人に見られるなんて、絶対に許せない。 「お水飲もうね」 誉はカイにまた水を一口飲ませようとしたが、フルフルと首を横に振って拒絶されてしまう。 だから自分の口に一口含むと、カイの頬を持ち、引き上げて、また唇を奪った。 そしてそのまま、口移しで水を飲ませる。 カイの小さな喉仏が数回に渡り上下した。 それを3回繰り返し、すべて飲み込んだのを確認した後、誉は再びカイの股間を柔らかく揉む。 「ふあ…」 カイはびくんと震えた後、今度は誉の肩に額を押し当ててピクピクと下半身を震わせた。 「そっか、カイはオレとキスする夢で興奮して、気持ちよくなって精子出しちゃったんだ」 「そういうの、よくないっ」 「何で?そういうことでしょ」 「そういうこと、だけど…」 「悪いことじゃないよ。 一つに繋がるという意味では、キスもセックスみたいなものだからね。気持ちいいのも、興奮するのも当たり前だよ」 「うぅ…」 「だってほら、俺も。触ってご覧」 「……?」 誉は今度はカイの手を自分の中心へと導く。 するとカイはびっくりした様子で顔を上げた。 「あつくて、かたい」 「でしょ」 「あと……なんか……すごくデカ……あ、また大きく」 「あまり揉まないでくれるかな…。 俺の理性が飛んじゃったら困るでしょ。 あの漫画みたいなことしちゃうかもよ」 「え、怖、こんなでかいのむり…」 「まあ、無理じゃないんだけどね…」 「え?」 「何でもないよ」 本人に自覚はないが、誉は既に何度かカイに挿入している。それも全て彼の初体験を最高のものにするための準備だ。かなり体は整ってきていると思う。後は気持ちの問題だ。 どうせなら、今のように、彼が自分を欲しくてたまらなくなってから、最高の経験をさせてやりたい。だから誉はもう少し、可愛い恋人を心身ともに育てるつもりだ。 「ちょ、ほま、ん…」 とはいえ、このシチュエーションは美味しすぎて本当に理性が焼き切れてしまいそうだ。 誉はカイの痩せた尻を揉みながらため息を付く。 「や、や…っ」 練習の成果か、尻もムズムズするのだろう。 カイの股間が一層固くなる。 「カイ、ん」 誉は顎をしゃくり、舌の先端を出して混ぜる。 するとカイは意図を察して真っ赤になった舌を同じ様に出した。誉はそれを吸いながら、尻と股間を、やわやわと揉む。 「んんんっ」 カイはハフハフと息を吐きながら、急な刺激に体を小刻みに震わせた。 「ズボン脱ごうね」 キスの合間に誉はそう言うと、その返事を待たずズルリとズボンを下げる。 赤くなったペニスがぷるりと勢いよく飛び出した。その先端は既にぬるぬるだ。 見やれば、下着は前の方が濡れて汚れている。 「やだ、見るな」 「だめだよ、お家から持ってきたパジャマでしょ。ズボンが汚れてたら、瀬戸さんに変に思われるよ。誉の家で漏らしましたって言うの?」 「うう…」 「まあパンツは諦めるしかないけどね」 「ううう…」 カイはそう唸ると、もじもじと太ももを動かしている。 「ほら、続き」 「ん…」 「もうやめる?」 「……もっと誉と気持ちいいのしたい」 「ふふ、ちゃんと言えてお利口さんだね。 もっと気持ちよくなろうね」 「うん…」 そして誉らカイの胸に頬を押し当てる。 胸の音もおかしくないし、体温も正常だ。 心音が早いのは、興奮しているせいだろう、大丈夫。 「ほまれ…?」 「カイは心臓の音まで可愛いなぁ」 「え?」 「何でもないよ。お膝で立てる?」 「う、うん…」 「そうしたら、パジャマのボタンも外してみて」 「えっ」 「早く」 「わ、わかった…」 カイは押しに弱いので、誉の言う通りにしてしまう。 「外したよ?」 やっとボタンを外し終えたカイは前身頃を捲ってみせた。 ツンと勃った素の乳首がちらりと見える。 「あれ、下着は?」 「……わすれた」 「あー」 誉は頭を抱える。 何だ、ウッカリさんで可愛い生き物は。 これで今夜抱かれる気が全く無かったなんて信じられないが、この子はそうなのだ、そういう子なのだ。 理性、理性と肝に銘じながら改めて見やるとパジャマの上着1枚だけを羽織り、自分を間に膝立ちをするカイは想像以上に扇情的だった。 しかし、カイが直ぐに誉の目を覆ってしまう。 「見えないよ」 「見てるだけじゃ、やだよ」 カイはそう言うと、唇を誉に押し当てた。 そして、 「恋人のキス、もっとしよ」 と小さな声でそう狼を誘い、舌を出して続きのお強請りをした。

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