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29.週末デート④

まるで発情したウサギのようだと誉は思った。 完全に頭にまで回ったアルコールはとうとうその理性まで麻痺させたようで、カイは貪欲に誉を求めた。 誉は舌を愛撫してやりながら、真っ赤なペニスを擦ってやる。そうするとカイは気持ちよさそうに体を震わせながら、その先端からとろとろと透明な体液を零した。それは誉の手から溢れ、ポタポタと水たまりを作るほどだ。 「ほま、れ」 「んー?」 カイはブルリと一際大きく身体を震わせる。 誉の上着の胸元を掴む手に力がこもった。 「でそ…」 「だーめ、まだガマン」 「……ッ!」 誉は意地悪にそう囁くと、手の中のペニスをぐっと握る。 カイは声にならぬ声を上げて、身をのけぞらせた。開かれた上着の隙間から、腫れたように赤くなった乳首が露わになる。 「あ、えっ?や…っ」 そして次に、それに誉が急に吸い付いたから、カイは声を上げる。 「や、やだっ」 快感が稲妻のように脳まで一気に突き抜けていく。 先日処理の仕方を習った時も誉は執拗に乳首を弄った。その時と似た感覚だが、今日のそれは比べものにならない。 誉はその舌先でカイの乳首を甘く噛む、かと思えば優しく舐めるを繰り返す。 「ん、んっ」 さっきからカイ射精したくてたまらないのだが、誉が変わらずぎゅっと根本を抑えているので叶わない。苦しくて呼吸だけが荒くなっていく。 「うーっ」 「おっぱい気持ちいい?」 「やぁだ…っ」 「気持ちいい?」 「アッ…っ!」 がり、と強めに歯を立てると、カイは前のめりになってブルリと震えた。しかし相変わらず射精は禁じられている。 「カイくん、質問に答えて」 「は、ぁ、や…」 「嫌なの?やめる?」 「んーっ」 カイは混乱した様子で頭を抱えながら誉を見る。 その間も固く大きくなった乳首を舌で押しつぶす。すると頭を左右に揺らしてイヤイヤをしながら、カイはボロボロと涙を零した。 「やだぁ」 「カイが嫌なら、やめるよ」 「やだ、やだ…」 「どっち?」 「ん、やめちゃ、やだ」 「おっぱい、もっとしてほしい?」 ぐずぐずと鼻が鳴る音が聞こえる。 カイは下唇を噛みながら誉を見下ろし、コクンと頷いた。誉はにんまりと笑む。 「もっと胸を突き出してごらん」 「…わかっ…アッ」 誉はカイの細い腰を抑えて、乳首を捏ねる様に舌で刺激をする。 カイはまるで女の子のように両方の手で口を抑えながら、快感に打ち震えた。 射精したくてたまらないのだろう、腰をへこへこと動かしている。しかし相変わらず誉ががったりとその根本を抑えているので、それには至れない。 「や、やぁ」 そのもどかしさと強烈な快感の狭間で、カイは気が狂いそうだった、 ふうふうと息を吐きながら、誉が自分の胸に吸い付く様を見ている。自分の胸が信じられないくらい赤くなり勃っているのを目の当たりにする。 前に誉がこれを女の子のようだと言った。よくわからないけれど、乳首でこんなに気持ちよくなるのは男では普通じゃないと言うことなのだろうか。だとしたら自分は何なんだ、わからなくて不安になって、その気持ちが涙として溢れ落ちる。 「怖くなっちゃったね」 そんなカイの様子を誉が察して、涙を拭ってくれた。 「じゃあ、一緒に気持ちよくなろうか。 カイも手伝ってくれる?」 「……?」 誉はそう優しく言うとカイを抱きしめた。 カイがほっと息をついたところで、額にちゅっと音を立ててキスをくれる。 それから、その手を取って自身へと導いた。さっきよりも大きく固くなっていて、カイはごくりと喉を鳴らす。 「カイが気持ちよさそうにしてるから、俺のもこんなになっちゃった」 カイの手ごしにそれを撫で、誉は耳元で囁く。 そしてズボンの中に誘導すると、直接触れさせた。 初めて触れる誉のそれはとても熱くて、固い。 それから、すごく大きい。 カイの手でようやく一周握れるかどうかのそれは、カイの手の中でドクドクと脈打っている。 「あッ」 同時に誉がまたカイの乳首をぐにぐにと指先で虐め始めた。 思わずぎゅっと誉のそれを握ると、びくんと震える。びっくりして見上げると、彼は眉を少し寄せ、はぁっと息を吐いた。 「見る?」 「えっ」 風呂でも勿論何度か見ているが、こう改めて見ると全然自分のものとは違って改めてびっくりしてしまう。 並べてみるとその差は歴然だ、色も形も全然違う。 誉はベッドの下に手を伸ばすと、プラスチックの容器を取り出すと、口でその蓋を開ける。 それを逆さにすると、とろとろの液体が出てきた。 「何、それ?…つめたっ」 「ローションていうんだよ」 それを自分とカイのペニスに垂らし、誉は今度は大きな手で一緒に握る。 カイも興味本位で手を伸ばすと、それは先端から漏れる体液のようにヌルヌルしていた。 「太もも借りるよ」 「ふともも?」 誉はそのままカイの白く細い太ももにもローションを垂らす。冷たくて背筋がすっと伸びた。 そうして彼は、軽く顎をしゃくる。 キスの合図だと察したカイが、顎を上げて舌を出した。すると誉はゆるゆると舌先を絡めながら、ゆっくりカイを仰向けに横たわせる。 同時にぬるぬるになったペニスを擦られて、カイの背筋がますますピンと張った。 誉は自身をカイの太ももに挟む。 「太もも合わせて、ぎゅって締めて」 それから耳元でそう囁くと、ゆるゆると腰を動かし始めた。 ローションでぬるぬるの太ももを、熱くて固いモノが滑らかに行き来する。 そのたびに、太ももの合間で誉のペニスはドクドクと脈打ち、熱を帯び、そして固くなっていく。 一方で、カイのペニスは誉に握られまま、その腰の動きに合わせ一番気持ちの良い鬼頭と竿の付け根を親指で擦られている。 キスの気持ちよさも相まって、カイの身体はびくびくと震えた。 油断をすると変な声が漏れてしまいそうだ。 誉の唇が離れると同時に、カイは口を両手で覆う その時顎を はぁっとまた誉が息を吐いた音が聞こえた。 太ももに包んだ誉がまた一段固くなる。 「カイの太もも、すごく気持ちいい」 誉はカイにそう囁くと、腰の動きを早めていく。 同時にカイのペニスへの刺激もどんどん強くなって、カイは堪らず声を上げる。 「あ、や…ほま、だめ、やぁ」 「一緒にイこうか」 「ん……っ」 ラストスパートとばかりに腰を打ち付けられながらまたキスをされる。 口内もすべて誉でいっぱいになったカイは、うまく息をさえ吸えない。 暫く体液が絡み合う水音が響いた後、その瞬間、唐突に訪れた。 強烈な尿意に、カイはびくんと腰を震わせる。 同時にペニスの根本から先端まで、一気に熱が迸り、誉の手の中で排出してしまったことを悟る。 と、同時に誉のペニスの先端から白い液体が勢いよく排出されているのが見えた。 それはそのままカイの腹を汚していく。 誉は萎えた自分のそれをカイの太ももから引き抜くと、また深く息を吐いた。 と、同じタイミングでカイのペニスも開放される。誉は顔を上げ、カイと目が合うとカイの精液でドロドロになった右手を見せつけた。 「いっぱい出せたね、お利口さんだ」 「ん…」 カイは浅い呼吸をしながらそれを見、次に己の腹に視線を移す。 そして誉が作った水たまりをぼんやりと眺めている。 どうやらアルコールと快楽の余韻で上手く頭が回っていないらしい。 誉はそんなカイを見て、己の人差し指で自分が排出した精子を拭い、カイの下唇をなぞってみる。ほんの出来心だった。 カイは反射的なのか意図的なのかわからないが、赤い舌でペロリとそれを舐め取り、ゆっくり嚥下した。 その瞬間、誉は自分の中で新しい欲望が生まれたことを自覚した。 自分の一部がカイに吸収される、それ即ちその血となり肉となる。それに言いようもない興奮を覚える。 その感覚を改めて確かめるように、誉はもう一度己の精液を指で掬い、今度はその唇を割って喉の方まで指を挿入する。何度か抜き挿しをするとカイは僅かに眉を寄せた。 が、すぐに指に舌を絡めてくるようになる。 そのうち苦しくなってきたのか、はふはふと息を吐きながら、誉の手首を両手で掴み押し返そうとし始めた。 しかしその一方で、カイは誉の指に付着した精液を舐め取ると、嚥下することを繰り返す。とうとう指が綺麗になったので、誉がゆっくり引き抜くと、カイは名残惜しそうにその先端をチロチロと舐めながら追った。 誉はその姿が愛しくてたまらなく、また同時にその口内に自身を無理矢理捩じ込んで、喉の奥までも欲望をぶちまけたい衝動に駆られるが、寸前のところで押しとどめる。 小さなウサギさんが体力の限界か、うとうととし始めていたからだ。 そんなところをまた愛おしく思いながら、 「気持ちよかった?」 と問うてみる。 カイはほぼ目を閉じたままだったが、コクリと頷いてまた舌を少しだけ出して応えた。 どうやらそうすると気持ちがいいキスをしてもらえると刷り込まれてしまったらしい。 誉は目を細めて口元を緩めながら、そんなカイの唇に、ご要望の通りキスを落としてやった。 カイは半分意識を手放しながらもふんにゃりと笑んで誉の体に手を伸ばし、甘えながらもっととキスを強請った。

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