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34.デートの後のお楽しみ①
櫂の体力が心配なので、帰りはタクシーに乗ることにした。夕飯まで取ってきても良いかとも思ったが、帰りが遅くなるとその後にも響く。今夜もゆっくり櫂を味わわなければならないので、早めの帰宅だ。
いつでもどこでも瀬戸の送迎を受けている櫂は、勿論タクシーも初体験だ。誉の隣で車内を物珍しそうに見ている。
誉が行き先を告げると、タクシーが走り出す。
一通り車内を見学し終えた櫂が、バックシートに背を預け、今度は先程買い与えたスマートウォッチを掲げて見ている。
誉もあまり興味が無かったので今日初めて実物を触ったのだが、成程よく出来ている、流行るわけだ。それにベルトを先にプレゼントしたブレスレットと合うように選んでやったので、重ね付けをさせると現代的でなかなかお洒落だ。そして櫂の肌はやはりどんなアクサリーも映える。
ちなみに櫂はスマフォを持っていないので、誉のサブ回線を使い契約した。丁度使わなくなったので解約しようかと思っていたのだが、思わぬ所で役に立った。
これからは櫂がこれをつけてさえくれていれば、誉のスマフォでその居場所から体調までいつでも気軽に観察できるのだから、素晴らしいガジェットだ。
充電等実際の管理は瀬戸に任せる事になる筈なので、後でこの有益さと合わせ連絡をしておこうと思う。
「ここが、紫外線。ここが、心拍数。
血中酸素濃度…」
「そう。これがいつもより低い数値だったらすぐ休むんだよ。あと誰か人を呼んでね。
こまめに見て適切に対処すれば、発作の回数も減らせると思うよ」
「わかりました」
「この画面でも目が痛くなったりするの?」
「いえ、このくらいなら大丈夫です」
「そう、なら良かった」
「誉先生もお揃いです」
そして櫂は、誉の左手を見て嬉しそうに言う。
誉は元より櫂のものしか購入するつもりはなかった。しかし貰ってばかりだから自分も買うと急に言い始め、結局お互いがお互いのを買うことで決着したのだ。普通の高校一年生にはかなり高額な買い物だが、勿論御曹司の櫂にはそんな事は関係ない。
櫂が財布を開いた際、店員が若干退いていたが、無理もない。中には信じられない量の紙幣が入っていたのだから。
「そうだね、お揃いだね」
「はい!」
幸い道も混んでおらず、タクシーは三十分ほどで誉の自宅に着いた。
櫂は、アパートの中に入るや否や腰を下ろしてふーっと深く息を吐く。
「疲れちゃった?」
「はい、お外はやっぱり緊張します」
「気疲れの方かあ」
誉は買い物袋から食料品だけを抜いて冷蔵庫にしまう。今日の夕飯はデパ地下の助けも借りて、できるだけ簡単に済ませるつもりだ。
ついでに朝から仕込んでおいたフルーツティを出してやる。
「じゃあ、今日はもうお家でゆっくりしようね」
「はい」
誉も同じ様に紅茶を持ちながら腰を下ろす。すると櫂がすぐに横に寄ってきた。頭をなでてやると
嬉しそうに笑む。
あまりにも可愛いので、そのまま頭のてっぺんにキスをすると、櫂はついと顔を上げてきた。
そして舌を出しておねだりをしてくる。
それがもう可愛くて愛しくてたまらない。
幸せってこういうことなんだろうなと思いながら、誉はそれに応えてやる。
唇と唇が触れ合う瞬間、
「恋人のキス、する?」
と問うてみると、櫂は上目遣いで誉を見て小首を傾げた後、待ち切れないとばかりに自らの唇を押し当ててきた。それが答えだった。
櫂の舌がねだるように誉の唇を舐める。
誉が軽く唇を開くと、一瞬躊躇した後に誉の中に舌を挿入てくる。応えてやると、ふるるとその体が震えた。櫂は気持ちよさそうに瞳を閉じる。
ほんの少しだけの出来心で、そんな櫂の乳首にシャツ越しに触れてみる。固くピンと勃っているのが感触だけで分かった。
「んむっ」
櫂がピンと背を張る。誉がピン乳首をシャツごとぎゅっと摘んだからだ。
舌を刺激しながら、強めに乳首を扱いてやる。
すると櫂は喘ぎながら逃れようともがいた。しかし誉は許さない。
その小さな舌を吸いながら、乳首を更に責め立てる。
誉があまりにも前のめりで責めてくるので、櫂はとうとう自分の上身を保持できなくなり、ぐらりの後に倒れる。それを寸前の所で受け止めて丁寧に床に寝かせると、甘いキスを繰り返す。
「ほ、ほま、せんせ」
櫂は乳首を執拗に弄る誉の手を押し戻そうとする。しかしその手には力が入らず、うまくいかない。
「櫂のおっぱいかわいい」
「いや、です」
「そう?触って下さいって固くなってるよ」
「そんなことない…」
「でも気持ちいいでしょ?」
「うう」
「またそうやってすぐ唇噛む、だめだよ」
「んむっ」
「悪いお口は塞いじゃおう」
大きな舌で櫂の口内を思う存分味わう。
櫂のそれはとても小さいので、誉の舌を挿し入れると直ぐに一杯になってしまう。
奥へ奥へと舌を挿入していくと、櫂がえづいた。
舌の付け根、喉の直前をトントンと叩くと、その度にえづくのが可愛い。
口端から垂れた唾液が、床の方へと溢れていく。
窒息させてはいけないので、今度は浅い所を舐め回し、舌の上面をねっとり嬲った。
櫂の下腹に力が入る。その細腰が震えている。
品の良い臙脂色のベストをめくり上げ、ワイシャツのボタンを外す。そうして手際よく櫂の乳首を露出させると、親指の腹で撫でた。
「せんせぇ、やだ」
「なんかその先生って、すごく背徳感があっていいなあ…」
「やだ、それ、いたいからぁ」
「ほんとだ、真っ赤になっちゃったね」
敏感な櫂の肌は、布がこすれるだけで赤くなる。ふっくらと育った乳輪の真ん中で、小さな乳首が真っ赤になって震えている。
「じゃあ、こうしよう」
「っ!」
誉はそう言うと、櫂の乳首をべろりと舐めた。
そして巧みに吸い上げながら乳首の先端を舌先でトントンと叩く。
櫂は両手で口を覆った。そうしないと変な声が出てしまいそうだったからだ。
自然に腰が反る。すると腹が上がって、より誉に
胸を差し出す格好になった。
するとその時、櫂は自分のペニスに熱が集中していくのを自覚した。太ももの裏がピクピクと痙攣し始める。腰が勝手に揺れる。
誉の太ももにペニスが軽く擦れた瞬間、稲妻のような快感が頭まで突き抜けた。
このままだと駄目だ、絶対だめだ。
だから、誉の頭を掴んで懸命にもがく。
しかし誉は辞めてくれない。
櫂は両手で顔を覆う。
「だめ、せんせぇ、ほんとにだめ、あ…ッ、やぁ…っ」
その時は本当に一瞬だった。
「やだ、やだあ」
櫂は顔を覆いながら腰を浮かせる。
2回そのまま上下にそれ揺れ、ぱたりと床に落ちた。
誉が顔を上げると、櫂がぐしゃぐしゃに泣いていた。まだひくついている下半身は、中心にじんわりと水染みが出来ている。
櫂はしゃくりあげながら言う。
「こんなの、キスじゃねえし。
せんせぇのばか、きらい」
頭の中がぐしゃぐしゃになっているのか"カイ"と"櫂"が混ざっている、とても可愛い。
スッと眼鏡を外してやると、濡れた瞳がこちらを睨みつけてくる。ちっとも怖くないが、かなり怒らせてしまったようだ。
「ちょっとはげしくキスし過ぎちゃったね」
「だからあんなのキスじゃねえし!」
「そんなに怒らないの、可愛いから」
「可愛くねえし!」
「本当に俺のこと嫌いになっちゃった?」
「……っ!」
誉が悲しそうにそう言うと、櫂は目を見開いてひくっと喉を鳴らした。
それからぷいと横を向き、誉のシャツを掴んで頬を膨らませる。
「ほんとにきらいじゃないし」
「あぁもう可愛いやだ…」
誉ははぁっと深く息を吐いて頭を抱えた。
「愛しすぎて頭がおかしくなりそうだ…」
「頭おかしいよ!あんなこと急にするんだもん!
お陰でほら、おれ!」
「そうだね、乳首で気持ちよくなって可愛く精子出しちゃったねえ」
「……っ!」
「まずはお風呂にしようか。
べとべと気持ち悪いね」
「もう、誉のバカ、へんたい」
「はいはい、語彙力なくて可愛いね」
「ズボン脱がさないで!」
「駄目、下半身冷えちゃう」
「やだぁ」
カイがどんなに暴れようと、誉には全く関係ない。下着ごとズボンを脱がせると、取り急ぎティッシュで体液を拭ってやった。本当は舐め取ってやりたかったが、これ以上怒らせてもいけないので今は我慢だ。
そうして誉はバスタオルをカイの腰に巻いてやりながら、
「続きはお風呂にする?それともベッドにする?」
と尋ねると、カイは顔を真っ赤にして、大きな声を出して答えた。
「風呂はこういうことする場所じゃないし!」
だから誉は、
「じゃあ、ベッドだね」
とにっこりと笑って返すとカイの顎を引き寄せ、ちゅっと軽いキスをした。
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