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37.デートの後のお楽しみ④
頬を撫でる誉の手が、熱を帯びている。
視線だけその方に向けると、丁度誉が眉を寄せて熱い息を吐き出す様が見えた。
だんだん具合がわかってきて、舌で触れるとペニスがビクビクっと震えるポイントをいくつか見つけ出した。ここがきっと誉の気持ちいいところなのだろうとカイは思う。
その証拠にそこを強めに舐めると、その手の動きが一瞬止まる。そうして誉は指先をわずかに強張らせながら、ふうとまた息を吐くのだ。
熱くて固いその感覚は、カイにとって初めてだった。舌あたりは悪くなく、寧ろ心地よいくらいだ。
口の中が、誉の体液でいっぱいになっている。
唾液と一緒に飲み込んではいるが、粘度が高いそれは喉に絡みついてどんどん飲み込みきれなくなってきた。それが顎を伝っていることは理解しているが、拭う余裕がなくてそのままだ。
誉がグンと腰を動かし、喉の奥へとそれを押し込んでくる。
「ん…ッ」
カイは苦しげに眉を寄せ、そのペニスの裏筋に舌をピッタリくっつけてその衝撃に耐えた。
そのうち誉はカイの頭の後ろをポンと押すようになる。
喉の奥にずるりとペニスが入って苦しいから頭を引く。押される、退く、それを何度か繰り返す内に、喉の奥が誉を受け入れるように蠢くようになった。
「んく、んっ」
えづくような喉の動きに、生理的な涙が溢れる。
誉はそれを拭いながら、
「カイ、上手。すごく気持ちいい」
と、うっとりした声で褒めてくれた。
それが嬉しくて、カイは苦しいのを我慢しそれを受け入れた。
高く天井に向かい上げられたカイの丸い尻がフワフワと左右に揺れているのが、子ウサギが尻尾を振っているようで可愛らしい。
誉が悪戯にそれに触れると、ビクンと震えた。
それでも構わず、手を伸ばして双丘を割る。
小さな後孔の縁を指先でなぞると、ひくついているのがわかる。孔の入口をトントンしてやると、そこは誉を取り込もうと強めに収斂した。
何度も可愛がってやった成果だが、カイ自身にはその自覚はないので急に触れられてビックリしてしまったようだ。
「なっ、どこ触ッ」
「離しちゃだーめ」
「んぐっ、かはっ」
ここはまだ意識がある時はおあずけかな。
抵抗がある気持は、まあわかるし。
誉は少し残念に思いながらも慌てるカイの口の奥にもう一度ペニスを挿し込んだ。
そして緩く喉を犯しながら、今度は陰囊の方に手を伸ばす。丁度肛門と会陰の間を探り当てると指先で軽くつついてすっと撫でる。
途端カイは尻をぎゅっと締めて上げ、そしてすぐにぱたんと下ろした。
「なに、いまの?」
「だーめ、お尻上げて」
誉は少し身を乗り出してカイの薄い腹を押し、尻を上げさせる。
同時にもう一度自分のペニスを咥えさせると、再びそこをゆっくり撫で、外側から前立腺を刺激する。
内側からの開発が大分進んでいるので、外側からでも思った通りよく感じている。
「うーっ」
「カイくん、ちゃんとパックンしてください」
「だ、だって、そこダメ。
ダメな気がする…っ」
「そこって、どこ?ここ?」
「ひゃんッ」
カイは誉のペニスを掴みながらびくびくと腰を震わせている。口をつけようとはしているが、うまくいかないようだ。その可愛い顔を、とろとろと垂れる先走りが汚している。
「気持ちいい?」
「わかんない、ビリビリして、むずむずする」
「そう。じゃぁ少し続けてみようか」
「だから、やだってばぁ」
「じゃ、俺がイったらやめてあげる」
「うう…むりぃ」
「大丈夫、大丈夫」
「んん、ムグッ」
誉はカイの鼻を摘み、反射的に開いた口に再びペニスを挿入する。 カイは苦しそうに眉を寄せながらも、健気に誉のペニスを舐め始める。
誉を説得するより、何とか早く出してもらう方が早いと考えたのだろう。懸命な判断だ。
カイのペニスからトロトロした体液が漏れ始める。誉が前立腺を擦るたび、その量が増えていく。しかし勃起はしていない。
「ドライ、いけちゃうかなあ…」
「へっ?」
「なんでもないよ、集中して」
「あむっ、んんん!」
一方で、大分喉の方も開いていたようだ。
さっきより奥に挿入しても、カイはなんとかついてくるようになった。よもや吐くかとも思ったが、取り越し苦労だったようだ。
カイの狭い喉の奥に先端を押し付けると、軟口蓋がぎゅっと締まる。それが気持ちよくて、生理的とはいえ涙を溢しているカイには申し訳ないが何度もやってしまう。
そしてそんなカイの姿を見下ろすのがまた、いい。清楚で可愛らしい普段の姿とは正反対の淫らさがたまらない。
するとカイが突然ビクビクっとと腰を震わせた。顔を上げようとするのを先回りその頭を抑えると、ごふっと咽る音がした。
誉はその前兆を見逃さない。
押さえつけていた手を緩め、今度はゆっくり撫でてやる。
カイは相当余裕なく、ぎゅっと目を閉じたまま必死に誉を咥え、口に入らない竿を撫でている。
「そろそろ出そう」
そう囁くと、カイが瞳を開け誉を見る。
どこか安堵した様子に見える。
「一緒にイこっか」
「!!」
その次の瞬間、カイの口内にビュッと体液が放出される。それと同時に前立腺の刺激を強めると、カイの体がビクビクっと震えた。
「んー、んんんっ、んはっ」
とうとうたまらなくなって、カイは口を離してしまう。同時に誉の腹に額を落とし、下半身の刺激に耐えた。しかしペニスを握ったままなので、向けた顔で残りの精子を受け止める。
「んぶ、ん…っ、あ…っ」
「あーあ、顔射になっちゃった」
誉はそう言いながらも自分の鬼頭をゆるゆると最後に擦って、残滓までカイの顔にかける。
カイはそんなことを気にする暇もなく、はあはあと息を吐いた。下腹と太もものあたりが酷く痙攣しているからイったのだろう。
しかし、ペニスから精液は出ていない。最後にごぷんと透明な液体が出るに留まった。
こんなに早くドライでイくなんて、嬉しい誤算だ。躾がうまく進んでいることを確信し、誉はほくそ笑む。
一方で、カイの顔は精子まみれだ。
「すごくえっち…可愛い」
誉はうっとりとその顔を見ながら口の端から溢れている精子を指先で集めて口内に戻してやる。
カイはそれをその通り受け入れ、ちゅっちゅと誉の指を吸った。
そしてゆっくり頭を上げて誉を見、精子でどろどろになった舌を出した。
さっきの自分を真似ているのだとわかると、誉の胸には言いようもない愛しさが溢れて止まらなくなる。
誉が頷くと、カイは口を閉じてそれを嚥下しようとする。喉に絡まるのかうまく一度で飲み込めなかったようだ。
これもまた誉の真似をしているのだ。
本来の彼なら、こんなものを飲むなんて一切考えられないだろうに、なんて健気で可愛いのだろう。
微笑ましい気持ちで誉はカイの様子を見守る。
口の中の精液を3回に分けてやっと嚥下した後、カイはまた舌を出した。
「上手に飲めた、お利口さんだね」
頭を撫でながら大いに誉めてやると、カイは嬉しそうに頷いた。
が、しかし。
そこからが大変だった。
「奥までつっこまれて苦しかった」
汚れた顔を濡れタオルで誉に拭ってもらいながら、カイはふくれっ面でプイと横を向く。
「変なとこ触られてビリビリして嫌だった」
うさぎさんは、一通り熱が冷めて冷静になり、改めて自分がされたことを思い出し腹を立てている。
「カイ、怒らないで。愛してるよ」
「苦しかったし怖かったもん。
愛してる人にすることじゃないと思う」
「いや、愛してるからこそイジメたいというか、泣かせたいと言うか…」
「いじめるつもりでやったのか?!」
「ちがよカイ。結果的にそうなっちゃったかとしれないけど、ほら、愛してる、愛してるから!」
誉はすっかりご機嫌斜めのカイを抱きしめる。
いつもならこの後こうやって額にでも甘くちゅっとすれば許して貰えるが…。
「今日は許さない」
カイはじとっとした目で誉を見て言う。
その方も膨れたのをまんまだ。
あんなに気持ちよさそうにしてたし、ドライまでさせてあげたのにそんなに怒らなくても、なんて言ったらもっとへそを曲げてしまいそうだ。
「カイが上手過ぎて気持ちよくて、ついつい手加減ができなくなっちゃったんだよう。
次から多分気をつけるから、怒らないで、ね?」
「多分」
「気をつけます、ちゃんと気をつけます」
「……」
「ああもう、カイ〜。
けど怒った顔も可愛いよ、愛してるよ」
「……あんまり愛してるの大安売りするな」
おや?これは脈アリか?
腕の中のカイを改めて見下ろすと、俯いているがその耳が真っ赤になると同時に、つんと出た唇が引っ込んだ。
そしてカイは誉の胸に額を押し付けて小さな声で言う。
「……オレも、あいしてるし!」
「え、むり…可愛すぎる…なんなのこの子怖い……」
「誉?」
「なんでもないよ……君こそ愛してるの不意打ちやめて、心臓止まるかと思ったし、そんな可愛いこと言われたら手加減出来る自身がない…」
「さっきちゃんと気をつけるって言ったばっかなのに!」
「気をつけるのと現実に出来るかはまた別の問題だよね」
「反省してない!」
「してます、してます。
ちゃんと次からは気をつけます」
誉は、はあと息を吐いて可愛い恋人を改めて抱く。もう可愛くて可愛くて、ずっと腕の中に隠しておきたい位大好きだ。
「だから、許してくれる?」
最後にそう問うと、カイはやっと頬の膨らみを解いて言った。
「クッキー焼いてくれたら許してやってもいい」
「……クッキー?」
「この前焼いてくれたの、また食べたい」
「あぁ、ナッツ入ってるやつ?」
「そう、チョコも入ってるやつ」
「あれ気に入ったんだ?」
「うん。美味しかった。また食べたい」
「そっか〜。いいよ、焼く焼く。
いくらでも焼く。
というか、材料がまだあるから、明日朝ご飯に焼いてあげる」
「ほんと?やった!」
カイはパッと顔を上げて、嬉しそうに口元を緩めた。
「ふふ、怒った顔も可愛いけど、やっぱりニコニコ顔の方が好きだな」
誉は愛しい恋人に頬ずりをしながら言った。
「カイ、愛してるよ」
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