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41.航の受難①
スヤスヤと眠る航を撫でながら見ていると、直ぐに満が寝室に入ってきた。
上着を脱いで、眼鏡も外している。
完全にヤる気である。
彼はベッドサイドに腰を下ろして航の顔を見ると、少し意外そうな顔をして言う。
「おや、随分と可愛らしい」
「ね、起きてるときより大分幼く見える。
って、すごく見てるけど、もしかして、本気なの?」
「本気じゃなければ、わざわざこんな危ない橋、渡りませんよ。まあ、こんなに可愛い顔をしていたのは嬉しい誤算ですが」
「あーあ、面食いの変態に気に入られちゃった。航、カワイソ」
満は航の服を慣れた手つきで剥いでいく。
シャツを捲ると、引き締まった体が見えた。
彼は高校時代にテニスで日本一位を取ったと聞く。プロからの誘いも数多にあったが、医師になるという決意が堅くすべて断ったのだとか。
今はサークルでゆるゆると楽しむ趣味にとどめているが、それは彼の望みだったのだろうかとふと思う。
常に周囲を気遣い、空気を読みすぎる彼の本心は、一体どこにあるのだろうか。
「実は、吉高家は如月家の遠縁なんですよね」
眠る航の腹筋をなぞりながら、満が言う。
「え、初耳なんですけど?」
「ええ、誰にも言っていませんからね。
曾祖母が如月家の出なんです。
「へえ、意外。それ、航は知っているの?」
「本家のご嫡男さまと、分家でも一番端っこの私がお話できる機会なんて無いですから。きちんと対面で話をしたのは大学の入学式ですよ。
しかし彼は私のことをちゃんと認識していて、真っ先に挨拶をしてきました。
逆に驚きました」
「あはは、航らしいね」
「ええ、彼は実力、人間性共に完璧です。
適う人はそういないでしょうね。
まさに理想の"若さま"です。だからこそ」
「壊して、屈伏させたいんでしょ。
困った性癖だね。おかしいと思ったんだよ。
もしかして、わざわざゼミ転向した理由もそれ?」
「さあ、どうでしょう」
「素直じゃないね」
満はそれ以上何も言わず、眠る航の額にキスを落とした。
航は急速に浮上する意識の中で、腹への異常な圧迫感を自覚する。
そして、自分が置かれている状況への理解が追いつかないまま、強烈な快感に襲われた。
大きく開かれた足がビクビクと勝手に震えている。
「あ、またイった、可愛いねえ」
「ふむ…、意外と素質ありますね」
「カイもさぁ、こんな風にあんよピクピクってさせて、俺のことぎゅってしながらイくんだよね。それがもうホント愛しくてさあ…」
「いや、今それ聞いてないですから…」
頭上からそんな聞き慣れた声たちがするが、頭がぼんやりしていてよくわからない。
「おや、お目覚めですね」
そんな言葉と同時に、唇を覆われる。
息苦しさに眉を寄せる。何とか言い出そうと抵抗している間に、2回腰が震えた。
そして長いキスからようやく開放されたその時、突然航は意識がハッキリと戻った。
瞳を開くと、まず自分を組み敷いている満が見える。彼は目を細めにんまりと笑むと、体を起こす。そして航に見せつける様に尻を持ち上げた。
「なっ、な…」
それにより、満のペニスが半分ほど後孔に納まっている様が丸見えになる。
満がそのまま緩く腰を振ると、びゅっびゅと航のペニスが白い精液を吐き出した。
恐る恐る腹に触れると、そこは既に体液でドロドロになっており、航は戦慄する。
「何で、ア…ッ!」
その瞬間、満は航に思い切り腰を打ち付ける。
ズンと強い腹への圧迫で息が詰まった。
航のアナルは満のペニスを全て飲み込む。
そして満が腰を引くと名残惜しそうにその縁をぷくと膨らませた。
「やだ、やめろ、やめてくれ」
航はそう叫び身を捩ろうとするが、尻をしっかり抑えられて動けない。
ならば手でと思い気がついたが、手枷で拘束されていて、自由が効かない。
「うう、うー…ッ」
するとまた次の波がやってきた。
満のペニスがある一点を擦る度、尻の中がカッと熱くなる。ガチガチと鳴るほど歯を食いしばったが、程なく訪れた欲に勝てずにまた精液を吐き散らかした。
「まだ出るの。すごいね。
ちゃんと抜いてないのかな?」
肩のあたりから伸びてきた手が航のペニスをゆるゆるとしごく。
「やめろ、まだイって、ぅあ…っ」
ただでさえ敏感な先端を擦られ、航は顎をのけぞらせながら再び射精した。頭の芯が焼ききれてしまいそうなほどの快感だった。
ようやく尻を下げてもらえたと思ったのも束の間、今度は体を横にされ、深い所をまた突かれる。
航は、ううっと唸ると下唇を噛み締めながら涙をこぼし始める。
「ああ、駄目だよ。
全く、兄弟揃って仕方ないな…」
横から見ていた誉はそう言うと、口端から強引に人差しを挿入する。
僅かに開いた唇を割って舌を摘み、愛撫するようにそれを撫でた。
このタイミングでようやく航は誉の存在に気がついたようだ。そしてこの状況でも彼はまだ誉を信じているのか、その瞳で「助けてくれ」と訴える。
誉は目を細めながらそれを見下ろす。
そして無情にも摘んでいた舌を無理矢理引っ張り出した。その苦しさと痛みで航が暴れる。
そんな航を満は力付くで抑えこみ、強めに何度か腰を打ち付ける。そしてペニスが最奥に当たる瞬間に合わせ下腹を強く押した。
すると航は痛みで顔を歪めて体を強張らせた。
次に満が角度を変え、今度は浅く前立腺をグリグリと擦るように突く。
「ア、ア…」
「おや、可愛い声も出せるじゃないですか」
気持ちとは裏腹に、穿たれるたび体がどんどん快楽に懐柔していくのを航は自覚する。
自分は男なのだ。
なのにこんなこと、あり得ない。
男に犯されて、しかも快感を感じるなんてこと、あってはならない、のに。
体がそんな思いを無視してどんどん気持ちよくなってしまう。
再び体位が正常位に戻された。
足を大きく開かれて穿たれる様はまるで女のようだと、どこか他人事のように航は思う。
口から出る喘ぎ声もそうだ、こんな自分の声は聞いたことがない。
嫌だ、気持ち悪い。
なのに尻から広がる快感に身が蕩けそうだ。
「気持ちいいですか?」
満がそう聞いてくる。
それを肯定してしまったら何かが終わる気がして、航は首を大きく横に振り否定をする。
「じゃぁ、こっちのほうがイイですか?」
すると満はまたさっきと同じ様に奥を強く突く。痛い。凄く痛い。
胎内から先っぽだけを残しペニスが引き抜かれた。きっとそのまままた再び強く穿たれるであろうことは容易に予測できた。
痛いのは嫌だ、怖い。
航は歯をガチガチと鳴らしながら震える。
「わからない?もう一回、奥、してみる?」
「い、いやだ。わかる、わかるよ」
航はボロボロと涙をこぼしながら返す。
「そう。なら、貴方が気持ちいい方でしてあげますよ。ほら、どっちがよかったか答えて」
満は煽るようにそう言い、ゆっくり腰を進めていく。同時にスマートフォンのカメラを航に向ける。ピッと電子音が鳴り、背面のランプが赤く光ったが、余裕のない航はそれに気付けない。
「さいしょ…」
「え?」
とうとう観念したのか、航はしゃくりあげ震えながらそう答えた。
「最初のほう、が、きもち、かった」
その言葉に満はにんまりと笑むと、言う通りにしてやる。航から、嬌声が上がった。
「ここが気持ちいいんだ?」
満は少し浅いところにある前立腺を更によく擦ってやる。すると航は、コクコクと必死に頷いた。
「ちゃんと言いなさい」
航はイヤイヤと首を横に振るので、満はまたペニスをギリギリまで引き抜く。
するとひゅっと航は喉を鳴らし、
「そこが気持ちいい。きもちいいからぁ」
と、必死に返した。
「もっとしてほしい?」
「うぅ、グスッ。」
「どうなの?」
「してほし…、い」
「じゃぁ、女の子みたいに中だけでイきましょうね。ちゃんとイくとき教えるんですよ」
「……ぁ、あッ!」
満の腰の動きに合わせ、航の体がビクビクと震えている。その開きっぱなしの口から漏れる喘ぎ声が一段と大きくなった。
航の足がピンと張る。
涙と唾液でぐしゃぐしゃになった顔は、いつものすました顔の航からは想像出来ないくらい汚くて、淫靡だ。
「よしたか、イきそ…」
「よく言えました。いい子ですね」
「ウウっ、イく、おれ、イッちゃ…」
「ええ、じゃあ一緒にイきましょうか」
満は航の腹をゆったりと撫でる。
その刺激も相まって、航は足を上げ、まるで体をくの字にする。同時にビュッとそのペニスから精液が飛ぶ。が、それだけでは終わらずにそのままガクガクと揺らされながら、その腹を痙攣させた。
「よしたか、らめ、熱い。
なかっ、出てる。中出しやだ、やだぁ」
満は泣きじゃくる航を無視して全ての精をその中に注いだ。
そして尻を上げさせたまま、吐精を終えたペニスを引き抜いた。アナルの縁が膨れて追う。
完全に抜けると、白い精が孔からごぷごぷと溢れ出した。
航はその様子をただ呆然と見ていたが、
「中出し、気持ちよかったね」
「なかだし、きもち、かった」
満がそう言うと、そうオウム返しをした。
その瞬間、ちくりとその右腕に小さな痛みが走る。航がその理由を確認する隙もなく、満の顔が近づいてくる。
「ん、ふ…」
満から与えられる舌を絡め取られながらのねっとりとしたキスを受け止めながら、次第に航の意識は遠のいていく。
そして最後にちゅっと音を立てて唇を吸われたのを最後に、プツンと途絶えた。
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