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49. 如月邸 お泊まり④
「うーん」
「どうしたの?」
シャワーで頭を流し終えた誉が真顔で考え込んでいたので、カイは少し不安になりその顔を覗き込む。すると誉は言う。
「一度カイを湯につけて温めないと体が冷えて風邪引かせちゃうかもしれないなと思うんだけれども、精液はタンパク質だから熱で固まっちゃうでしょ。だから中で射精させちゃうと後が大変だなって」
「なっ」
「ウチならさっさとお湯流して掃除しちゃうからいいんだけどね〜」
「何ゆってんの!ほまれのバカッ」
「だってエッチなことしたいんでしょ?」
「知らないっ」
カイは真っ赤な顔でフルフルと震えながらそう言って、湯船に向かってしまう。
「こらこら、ちゃんとおちんちん洗わないと駄目だよ〜」
「さっき洗ったし!」
「だから君のは洗えてないの」
「あっ、こら、さわるな」
「だめ〜」
「も、も…んんっ」
「可愛いおちんちんだねえ」
「そんなことな、ん"ーっ」
嫌がるカイを捕まえて、誉はキスしてしまう。
こうするとカイはチョロいので直ぐに大人しくなる。そのまま吸い出した舌を甘噛すると、ふるふるっと気持ちよさそうに体を震わせた。
「はい、おしまい。
俺が洗い終わるまであったまってきて」
「むうう」
かなり期待してしまっていたカイは膨れたが、やはりその肩は冷たい。一度温めないと本当に風邪をひいてしまう。
カイが湯船に浸かったのを見ながら、誉は自分の髪を洗い始めた。
が、ほんの少しでカイが湯船から上がってきてしまう。
「こら、まだ早いよ」
するとカイは胸を張りながら、
「背中流してやる」
と言うと、大量のボディソープをその手に出し始めた。
「こらこら、そんなに使わないよ」
誉は苦笑いしながら半分それをとり、ボディタオルで泡立てる。
「仕方ないな、カイも体を洗おうか」
そして泡立ったボディソープをカイの体にふわふわと載せた。
「オレが誉の背中洗うの」
「わかってるよ、今その準備」
「じゅんび?」
誉は念入りにカイの体を泡ごと撫でる。
敢えて乳首のあたりを念入りにそうすると、ぷくんと乳首が勃ち上がった。とても可愛らしい。
そうこうしている間に、カイの体はあっという間に泡だらけだ。
「はい、じゃ、お願い」
「?」
すると誉はカイの体をそのまま開放する。
首を傾げるカイに背中を向け、
「はい、どうぞ」
と誉は言う。わけがわからないカイは、とりあえずそのまま手についた大量のボディソープを誉の背中に擦り付ける。
「違うでしょ」
すると誉はそう言い、カイに耳を貸すように促す。その通りにして耳元で洗い方の指示を受けたカイは、また顔をボッと赤らめた。
「どうぞ」
もう一度誉はそう言うとカイに背を向ける。
カイは誉の背を見、自分の体を見、ぐっと下唇を噛んだ。それから意を決した様に、誉の背中に上半身を押し付ける。
「ほ、ほんとにこれで洗えんの?」
「洗えるよ」
「ほんとに恋人同士は、みんなこうやって洗うの?」
「ほんとだよ」
「うー…」
当然誉の嘘だが、恋愛にはことポンコツなカイは勿論信じてしまう。
「うう、変な感じ…」
「もっとくっついてくれないと」
「ううん」
カイは困った顔をしたまま、誉の首に手を回して
ぎゅっと後ろから抱きしめる。そして上下に体を揺らしながらごしごしと背誉の中を上半身でこすり始めた。
さっきつけられた泡がヌルヌルと誉の背とカイの腹の間で滑る。
そして乳首が背にこすれるたびにコリコリに固くなって、引っかかる様になってきた。
その感覚がこそばゆくて誉は口元を緩めるが、当の本人にとっては大問題だ。
なんか、変な気持ちになってきちゃった……
ふう、と熱い息を吐きながらカイは一生懸命誉の背中をこする。
乳首が擦れる度に恥骨のあたりがズクズクとうずく。
誉はその様子を背中で感じている。
さっきから乳首ばかり擦っているのは、きっとそこが気持ちいいからだろう。
固くなった小さなそれが背中を行き来する感覚が少しこそばゆい。
一方で、カイのその体自体はやはり痩せすぎて骨ばっていて固い。やはりもう少し肉をつけてやったほうが良さそうだ。
暫くそうさせていると、カイが突然ぎゅっと抱きついてきた。そしてその動きが止まるが、当てられた下腹がピクピクと痙攣しているのが背中越しにわかる。
と、同時に誉の腰に熱いものがかけられた。
「あ…」
カイは背中からそっと離れてそう呟く。
「カイ」
「うう……ごめんなさい……」
誉が腰に手を回すと、べったり精液が付着している。それを指で掬って、人差し指と中指を開き粘つく様子を見せてやると、カイが赤面して居た堪れなそうに顔を反らした。
その様子がとても可愛くてたまらない。
思わず顔がにやけそうになるのを堪えながら、誉は努めて真面目な顔をする。
「ふーん?」
ネバネバを指先で遊ばせながらカイの方に向き直り、
「乳首こすれるのが気持ちよくてイッちゃったんだ?」
と、わざと意地悪に言ってやる。
するとカイは顔を真っ赤にしながら頷いた。
「なんか、でちゃった……ごめん」
誉が怒っていると思っているのか、怯えててぷるぷるし始めたカイはとても可愛らしい。
もし彼が本当にウサギだったなら、そのお耳が完全に垂れてるんだろうな、なんて思いながら誉はカイを自分の前に膝立ちをさせた。
「エッチなウサギさんにはお仕置きが必要だね」
「えっ?」
一応カイの肩に触れてみたが、まだ温かいから、ここでもう少し遊ばせても平気だろう。
誉はそのままカイの泡をシャワーで流した。
まだ体が敏感になっているカイは、それだけでぴくんと反応する。
それを知りながら誉はゆっくりと大きな手でカイの体を撫で、泡を落としていく。
「誉……そこ、やだ」
誉があまりにも乳輪を執拗に撫でるので、カイはその手を押し返しながらイヤイヤをする。
しかし誉がそんなことを聞き入れるわけもなく、
「胸、コリコリしてる。かわいい」
なんてうっとり言いながら、とうとうその中心をぎゅっと摘んだ。
「アッ」
まずは強い痛み。
それから、じわじわと快感が広がって行く。
誉はもう片方の乳首もぎゅっと摘み、それを親指と人差し指の先で扱き始めた。
「んん、やあ、ほま」
カイはガクガク膝を震わせながら交互に襲ってくる痛みと快感に耐えている。
そうしているうちに乳首は真っ赤に熟れた。
「自分でお口塞いで。
瀬戸さんにカイのエッチな声、聞かれちゃうよ?」
誉にそう言われたカイは、慌てて口を両手で覆う。
「ふ、ううん」
カイの腰が震えている。
ペニスはまだ萎えたままだが、トロトロと体液が漏れ始めていた。腰と内腿の痙攣具合から、なんとなく誉は察する。
「これはドライいけちゃうな」
「??、ドライ??アッ」
「お口塞いで」
「んむっ」
強く言われたカイは慌ててまた口を手で抑える。
それを契機に、誉はカイの胸を強弱をつけて扱き始める。
そして最後に乳首を強く摘んで、ピンと伸ばす。
「ンンンッ」
瞬間、カイ背筋がピンと張った。
それからすぐにくの字になり、誉にもたれかかる。それを受け止めて背中を撫でて待つと、カイはまたビクビクっと大きく腰を震わせた。
そしてカイから、深く息を吐く音が聞こえる。
無事イったようだが、射精は無い。
思った通りうまくドライで達したようだ。
カイは誉の腕の中でぐったりしている。
その体を抱き直しては顔を確認すると、口の端からこぼれた唾液もそのままに、トロトロのお顔でうっとりしている。
「気持ちよかったの?」
「ん…」
カイは余韻で会話もままならない様子だが、誉の顔が目に入ると、薄く唇を開きぺろりと舌を出す。
どうやらその仕草をすれば"恋人のキス"を貰えるとカイの中に刻まれてしまったようだ。
それを微笑ましく思いながら、誉はカイのお望み通り甘いキスを落としてやった。
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