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☆ 第5話

胎内を生き物のように蠢く啓影の指に唇を噛み締める。前のようにさっさとぶち込めばいいもののこいつは永遠と孔の中を弄っている。 「も、終われ、よ……ッ!」 酷くされるならそれでもいい。だって、それはただ性欲を吐き捨てるだけの行為だと思えるから。 なのに、こんなに丁寧にされると“もしかして”を思ってしまう。期待したくないのに心のどこかで期待をしている自分がいる。 「……ソリテ」 「ァ……っ!?」 なにかを啓影の指が掠めた瞬間知らない感覚がこみ上げてくる。 「ここ?」 優しく、まるで恋人に尋ねるように甘い声が鼓膜を震わす。拘束されたとき酷くするんだと思っていた。 だって啓影もきっとその気だった。だから、覚悟を決めたのに。なのに。なんで。 「ん……ぁ、拡げ、るなっ!」 「そうしんとソリテ痛い思いするやん」 前のように痛い思いはしてほしくないねん、と啓影は続けた。 そんな変な気遣いにイラつく。大切な人だという風に扱わないでほしい。 「も、う……い、いから」 「まだ満足に解れてへんよ」 「いい、から。早く、しろよ」 終われ。こんな無意味な時間。願うように言葉を吐き出せば啓影が息を飲むと同時に胎内から指が引き抜かれる。 せわしなく聞こえるズボンの前を寛がす音に目を閉じた。ここが廊下とかもう些細なことだと思った。 「ソリテ」 宛がわれる啓影のちんこに震える。名を呼ばれても聞こえないふりをした。 “愛してる”なんだかそんな幻聴が聞こえたと同時にゆっくりとそれは入ってきた。 「っ、ぁ……」 相変わらずでかくて。ちんこを受け入れる場所じゃないそこに入ってくるにはでかすぎる。 押し込まれると同時に息苦しくなる。 「……ソリテ」 「ん、だよ」 「もう、我慢できん」 「ぇ、ぁ……ッ!」 一息に奥まで差し込まれた凶悪なちんこに身体が震える。息。息ってどうするんだっけ。 は、は、とまるで犬のように懸命に呼吸を繰り返す。そんなオレにお構いなしに動く啓影。 「ひ……っ」 ある場所を掠めた瞬間びりびりと電流のようななにかを感じた。指で触られただけでも変になったのに……っ。 気付くなと願うもむなしく啓影は馬鹿の一つ覚えのようにそこを重点的に狙い始めた。 「ぃ、やだ……っ。ふ……ッ」 「嘘つき。こことんとんってされると気持ちええんやろ?♡」 「んぁ……ッ! ァ、ひ、ぃっ」 そこを突かれながら胎内を犯されれば意図しない声が溢れる。かわいい、と耳元で啓影が囁く。 「ソリテが女の子になるとこ、見して?」 「ぉ、ひ……ぁ、あ……ッ!」 ぶるりと身体が震える。オレのちんこも気付いたら勃起していて。勢いのない精液が溢れる。 こいつに抱かれて、オレ……気持ちよくなってる? 呆然としてもいられない。いや、そんな余裕を啓影がくれるわけがない。 「かぁい♡」 「ぁひ、や……ッ! おわ、れ……っ」 「やぁだ」 腰をつかまれ無遠慮に胎内を突き上げる啓影。こんな、のに、感じてるわけ、 「っ……!」 「またイッたなぁ」 こんなんで終われるん? なんて囁く啓影に同意するように何度も頷く。 「うそつき」 いつしか自由になっていた両手で身体を支えるように壁に手をついてるけど、無理だ。知らない感覚ばかり、で。 「ん、ひ……ぃあ、ァ……ッ!」 「うんうん、気持ちええねぇ」 ソリテの理性が初めて溶かされていく。そんな彼を哀斗は満足そうに眺める。 控えめな喘ぎがまた自身の一物を大きくさせる要因となり逃げたいとばかりに壁に爪を立てる手に自身の手を重ねた。 余裕ぶっているが実際限界だった。初めて感じてくれた彼にこのまま快楽を植え付けたかった。征服欲と同時に湧き上がる願望(性欲)。 ――理性なくしたソリテかわええなぁ。 前立腺をえぐる様に突き上げればソリテは甲高く鳴いてくれて。 「中、出すからな……ッ」 「ぁ、つい……っ」 胎内を満たす精液の熱さにソリテは無意識に呟き気を失った。 「……ん。気失ってもうた」 もう一度と思うも睡眠不足なソリテは限界を迎えたんか気を失うように寝とった。 渋々胎内からちんこを抜く。ちんこが抜ける感覚にも感じ取るソリテに必死に理性を働かした。簡単に服を直し今度こそ俺はソリテを連れて寝室に向かった。

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