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第7話 ☆
人の血を初めて飲んだのはいつだったのか。どんな人のをなんて覚えていない。
でも、分かるのはあの頃と変わらずそれが美味いと感じることだけだった。
ソリテを組み敷いて無防備にさせた首筋に噛み付く。微かな声が聞こえた。
その声に欲情する。もっと、聞きたいって思ってまう。
「ぅ、あ……ッ」
味わうようにゆっくり血を吸い上げ飲みながらソリテの股座に触れる。まあ、当然勃起なんかせんよなぁ……。
ちょっとだけ残念に思いつつも哀斗は首筋から牙を抜き噛んだ痕を確認するように舌を這わした。
服の中から手を忍ばせ胸に触れる。ぴくっとソリテの身体が反応した後やめろと言わんばかりに睨まれる。
「……バカやなぁ、お前は」
そんな目で睨んでも煽ってるとしか思えないのに。乳首に軽く爪を立てながら空いてる手で服をまくりあげる。
そうしてもう片方の乳首を口に加え甘く吸い付きながら舌で転がす。
「ぁ……ッ、やめ、ろ……っ」
毎日のようにセックスし胸を嬲られているからかもうここは性感帯になってきているのだろう。
こんな柔な愛撫にすら感じ始めている。なのに、未だに抵抗するようにやめろだなんて可愛いことを言う。
もちろんやめる気などさらさらない。鋭く尖った犬歯を擦るように乳首に触れさせながら時々甘噛みしてみれば必死に声を押し殺す。
「ぃ、あ……っ!」
「声、出してもええのに」
「だ、れが……っ」
理性がまだ残っているうちはこうだ。なくなればあんなに可愛く鳴いてくれるのになぁ。
乳首を摘まみ転がしそしてその手を下にやる。ソリテの逸物は勃起していた。
普通の男なら胸をいじられてもそうならないのに。俺がつくり変えたんや、この身体を。
嬉しさで緩む頬をそのままに哀斗は窮屈なズボンを寛げさせ下着の中から逸物を取り出した。
最初はフェラや手コキで刺激を与えていたが今はもう後ろだけでイカせようと調教中のためベッドサイドからローションを取り出した。
「つ、めた……っ」
相変わらずローションの冷たさには慣れないのもまた愛らしい。
後孔に直接垂らしたローションの滑りを借り指を潜り込ませた。毎晩可愛がっていても相も変わらず狭くそこは異物を押し返そうとする。
「……っ」
「ソリテ」
彼が自身の口を塞ぐ前に哀斗はソリテに口付けた。以前はすぐに終わらそうとしていたのに今はされるがまま。
とはいっても、舌を入れようとすると反抗は少しあるけど。
下唇を甘噛みし長く口付けてれば息をしようと空いた唇にすぐさま舌を入れ込み奥にある舌を絡めとる。
「ん、ふ……っ」
「ん……」
僅かばかりに緩んだすきを逃しまいと指を深くまで潜らせ前立腺を探す。
前と変わったのはもう一つある。舌を入れてしまえばソリテは夢中で口付けをすること。
拙いながらにも必死に応え返そうとするのがかわええんよな。
「は……ぁ、あっ?!」
「やっぱ、ここ弱いなぁ」
口を離し見つけた前立腺を撫でるように触れればきゅうっと中が締まりソリテは喘ぐ。
前立腺に触れながら指を増やしもうええか、と指を引き抜き間髪入れずに哀斗は逸物を奥深くまで挿入した。
「~~……っ!」
「ぁ、は、イってしもうたん?」
危うく持っていかれそうになるのに耐えながら精液が出ていないソリテの逸物に触れる。
「メスイキ上手にできてえらいで」
腰を掴みご褒美だというようにえぐる様に奥を突き上げれば悲鳴のような嬌声がソリテの口から零れた。
完全に無防備に晒される喉元に噛み付き腰を打ち付ける。厭らしい水音が部屋内に響けばさらに興奮が高まる。
「ソリテ、ソリテ……」
「ひ、ぁ、あっ!」
「ああ……好き、好きやわ、俺」
腰を打ち付けるスパンが短くなり結腸付近で腰を打ち止めれば胎内を満たすように欲を吐き出す。
まだ、足りない。
全て出し切る前に哀斗はもう一度腰を動かす。何度彼を抱いても足りる事なんてない。
「っぁ、ひ、ぃっ」
「もっかい」
「む、り、オレ…ぁ、アっ!」
ぐちゅりと胎内に吐き出した精液が厭らしい音を立てる。腰を動かせばそれらが溢れシーツを汚す。
繋がったままソリテの身体を後ろ向きにさせ後背位の体勢になれば哀斗は結腸を目指す。
「ぉ、あ、は……ぁ……ッ!」
人体から聞こえてはいけない音を鳴らしながら結腸に逸物が入り込み激しく腰を動かす。
「喉、乾いた」
「ま、て、今、だめだろ……」
がぶり、と首筋に牙を突き立てセックスしながら吸血する。中がいつもよりキツく締まりソリテの口からはひっきりなしに甘い声が出る。
渇きが満たされればいつもより乱暴に口を離しただ胎内を犯す。
「い、ぁあ……ッ!」
「く……っ」
彼の腹の中を満たしソリテも今度は精液を出したのだろうか。室内に漂う性の香りがさらに色濃くなる。
「お、まえの、まだ……なんで、だよ」
「そりゃあ……まだ、足りんからやで?」
「ふざけん、な。無理だ、これ以上は……ま、ぁっ!動く、なっ」
逃げる手を絡め取り優しく握り身を起させ騎乗位の体勢にすればまた深く入ったのか苦しげにソリテは息を吐いた。
哀斗は視線を少し時計に向ける。夜はまだ長い。
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