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第22話

ソリテを起こさないよう部屋を出た後外を確認してから啓影は屋敷を出た。雨は昨日から降り続いている。 おかげでいつもより日光対策をしなくていい。とはいえ、つばの広い帽子や日傘は必要なんやけど。 誰かの看病をした事なんて当然ない。本やテレビでの知識しか持っておらず確かこれがいるよな……なんてあやふやながらもドラッグストアで薬や冷えピタをカゴに放り込んだ。 本当なら病院に連れて行った方がいいんだろうけどソリテが断固として拒否をしそうなのが想像にかたくない。 これっきしのもの寝てれば治るだなんて言いそうだ。 買い物を済ませれば急いで屋敷に戻った。 人は風邪の時いつもより弱気になるらしいから。 「……寝とる」 部屋を覗けばすやすやと眠る彼にほっと安堵した。冷えピタ貼る前に額に手をやると先程よりも熱いような気がしてならない。 大丈夫なんやろか。……死んだり、せんよな。 風邪が悪化してそのまま……なんて事も脆い人間はよくある事らしい。 冷えピタを貼りそっとソリテの手を握った。 早く良くなりますように。なんて、存在も不確かなカミサマに祈った。 「……啓影?」 「あ……起こしてもうた?」 「いや……大丈夫。喉、乾いた。水欲しい」 「持ってくるわ。……ついでに薬飲も? ほんまは空きっ腹にあかんやろうけど」 「ん……飲む」 「待ってて」 ソリテの手を離しリビングから水と薬を持って来ようと立ち上がると控えめに裾を引かれ後ろを向いた。 まるで行かないでというような彼の行動に思考が1度止まり優しくその手に触れた。 「すぐ戻るからええ子にしてて?」 「……絶対だからな」 普段ならしてない! なんて恥ずかしがった彼の声が聞こえるのにやはり風邪をひいてるからか素直な気持ちそのままが返ってきた。 相手は病人、治ったら分からせたる。と、改めて理性を押し殺しながら今度こそリビングに向かった。 コップに入れた水と薬を手に戻って来るとうつらうつらと船を漕いでいた。眠気と乾きと戦っているのだろう。 「ソリテ、持って来たで」 「ん……」 懸命に目を開けようとしてるものの眠気の方が強いのか上手く開けれていない。 声に反応は示すがそれよりも寝たいのだろう。 だったらとる行動は1つだ。啓影は薬と水を含んだ後ソリテに口付けた。 開く口の中に流し込めばこくんと飲み込んだのを確認した後もう一度水を飲ませた。 「ええよ、寝ても」 それを2度繰り返しコップの半分ほどを飲ませ口を離してはソリテの頭を優しく撫でた。 落ち着くのか気持ちいいのか。数回手に擦り寄った後ソリテは眠りについた。 「はよようなりますように……」 きゅっと控えめにソリテの手を握り願いを込めるように手の甲に口付け啓影は部屋を後にした。

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