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第8話
ついた先は広い浴室のような場所だった。
女性3人がかりであれよあれよという間に
全裸にされた。
「えっ!?あのっ、な、なんで…?」
慌てて隠しながら抗議すると
「旦那様からのご指示ですので」
と一蹴りされて、温かいシャワーを当てられた。
「え、お風呂は入りました」
と言っても
「1人では洗えないところまで
清めないとなりませんので」
と、自室にあった石鹸よりも
うんといい匂いのする泡で包まれた。
主様の指示と言われれば
僕も対抗するわけには行かない。
これが褒美なの…?
確かに人にお風呂に入れてもらうことなんて
滅多にないけど
とても恥ずかしいし、どちらかというと罰?
体を拭かれて、髪を乾かされると
すっけすけの布を手渡された。
「え?」
「こちらがお着替えとなります」
「これ、服ですか!?
僕、さっきまで着てた服で良いです」
「決まりですので」
ピシャリと言われてしまい、
思わず手の上の布を見つめる。
確かに、お継母様が買っていた
女性ものの下着に酷似しているけど
どう考えても面積が少なすぎる!
これ着たとしても
何も隠せなくないか?
むしろ着た方が恥ずかしいまである。
その間も3人の女中は僕の方を向いているので
履くに履けない。
「あのっ、着替えたら呼びますので
部屋の外でお待ちいただけないですか?」
「承知しました」
恥を忍んでお願いすると
あっさり外に出てくれた。
深呼吸をしてそれを身につける。
やっぱりすっけすけだ。
「あの、着ました」
そう言うとドアが開き、
ガウンのようなものを手渡された。
「旦那様のお部屋までご案内しますので
その間、羽織っていてください」
「あ、ありがとうございます」
良かった。
スケスケのまま廊下を歩くことはないらしい。
でも、ガウン一枚脱いでしまえば
スケスケになってしまうけども。
先ほどの書斎ではなく、
今度は旦那様の自室に行くようだ。
そんなところにお邪魔して良いんだろうか。
女中がドアをノックすると
また「入れ」と主様の声がした。
女中がドアを開け、目で合図されて
僕は恐る恐る部屋に足を入れる。
「失礼致します」と言って
女中の3人は部屋には入らずに
ドアを閉めた。僕を置いて。
「えっ…」
思わず声が出る。
こんな服で主様と2人からはしないでください!
と思ったが、ドアはしっかりと閉じられた。
「こちらに来い」
と、主様に言われて
僕は返事をしてソファに近づいた。
目の前に立つと「ガウンを脱ぎなさい」
と言われた。
えっ!?あのスケスケを見せるんですか!?
僕は抗議しようとしたが、
主様の目力に口をつぐんだ。
なんて恐ろしい目をしているんだろう。
僕は意を決して、
震える手でガウンを脱いだ。
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