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第12話※

「っ!?」 息が止まるかと思った。 苦しい。 けど、入り口から主様のモノが届いている場所まで熱い。 「あ、主様ぁ…」 僕は苦しさから逃れるように 主様に手を伸ばすと 主様は身を屈めて僕の手が届くところまで 頭を下げてくれた。 僕は下がるようにその首に 腕を絡めた。 普段だったらこんな失礼なことはしないけど 今はお腹が苦しくてどうにかなりそう。 少しの間、抱き合うようにして 静止していた。 「スイ」 「え?すい?」 「お前の名前だ。 翡翠のスイ。どうだろう?」 「は、はい!嬉しいです!とても!」 こんな状況で名前決めるのですか!? と、思ったし 翡翠のスイって目の印象だけでは!ら とも、思ったけれども、 主様の声で呼ばれると胸が弾んだ。 名前を噛み締めていると、 思い出したように主様が動き始めた。 内臓を掻き回されているんじゃないかと 思うくらいに圧迫感がある。 でも、痛みはない。 それに苦しさもだんだんと薄れてきた。 すると、指でされた時に 電気が走った場所を 主様が行き来するたびに 耳を塞ぎたくなるような声が漏れる。 「主様ぁ、そこ変です! も、止まってくださっ、あぁっ」 「でも、良くなってきているんだろう?」 「よっ!?良くなんかぁっ」 これが気持ちいいなんて言ったら なんだか本当に淫乱であることを 認めるような気がして言いたくない。 確かに、わけが分からないくらい 気持ちいいんだけども。 「本当か?私は素直な方が好きだがな」 「うぅ…、気持ちいいです…」 「ならばもっとしてやろう」 「えっ!?もうじゅうぶ…、ひぁっ!?」 そこからは先ほどまでは主様が 気を遣っていたのだと分からせられるくらい ガンガンとお腹を突かれてた。 「スイ」 名前を愛おしそうに呼ばれた瞬間、 僕の背中にまた電気のようなものが走り 体がこわばる。 「ふっ…、すごい締め付けだな。 流石の私も持っていかれそうだ。」 主様が何かおっしゃっているが 僕はもう目の前がチカチカしている。 その後も何度もイカされてしまい 主様が満足する頃には 僕の意識は途切れ途切れだった。 最後にまた女中を呼んで 僕はお風呂に入れられた気がする。 浴槽に入れられて「温かい」って 呟いたあたりから僕の記憶はない。 目を覚ますとフカフカのベッドの上だった。 窓の外が薄明るく、鳥のさえずりで 早朝である事がわかった。 僕のすぐ横に眠る主様がいて 驚いて声をあげそうになったが なんとか押し留めた。 ぼ、僕、主様と一緒に寝てる!? 混乱したけども、昨夜のことを思い出して さらに混乱した。 や、やっぱり僕がここで買われたのは 性的なサービスのためだったのかな… とにかく、早くお部屋を出なくては! 朝のお勤めの時間までに 身支度を整えて、お部屋にいなくては。   そう思って、そろりそろりと ベッドから降りる。 床に降りた瞬間に足の力が抜け、 その場に跪いてしまった。 こ、腰が痛い!? 足もガクガクしている。 昨日のアレのせいなのかな? 今まで経験したことのない筋肉痛だ。 なんとか這うようにして部屋を出た。 主様の部屋から自室に戻ろうかと 廊下を壁伝いに歩いているところで 斎田さんに遭遇した。  

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